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2018年6月1日

9904:『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原恵理子:読書印象記

20180531163035  9903:『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原恵理子:読書印象記

神経眼科の外来終了後のドクター間の会話で、精神的な疾患をもつ人に関して周りは何処まで介入できるか?という話題が出ました。

 その時にある友人がこの西原恵理子氏の話を聞かせてくれました。西原氏の御主人はアルコール依存に陥り、西原氏はそのご主人を支えようとするのですが、素人ではどうにもならなかったというお話です。彼は、「精神疾患に眼科医のできることはごく限られているのだから、むしろ専門家に任せるべき」という意見でした。

  そこで私は彼女の著書をアマゾンで検索してみました。出て来たのがまずはこの2冊。

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』は、西原さんの歩んできた前半生とその周りの人々に対する観察を克明に記したものでした。題名もそれなりにショッキングですが、連想されるような品の無い話ではなく、彼女が実に体験した中からの真実に自虐を込めて淡々と記述しています。

体験談の中でも高校退学から義父の自殺の記述(お父さんが行ってしまった日)が最も凄まじいものでした。

結論は、『貧しさは、人から、人並みの暮らしとか、子供にちゃんと教育を受けさせる権利とか、いろいろなものを奪う。それで、お金がないと、大人の中に、やり場のない怒りがどんどん溜まり、その怒りの矛先は、弱い方に向かい、子供が理不尽な暴力の被害者となる、』というところでした。

・『貧しさ」は連鎖する。それと一緒に埋められない「さびしさ」も連鎖していく。ループを断ち切れないまま、親と同じものを、次の世代の子供たちも背負っていく』と述べています。そのループからどう抜け出すか?という話です。

単身上京しイラストレータを目指す彼女は、『絵の技術は上達したとは言えなかったけれど、自分の絵を客観的に見る力を養ったことは、そこから道を切り開くために、すごく大きなことだった』と言います。

・『「どうしたら夢がかなうか」ではなくて、「どうしたら稼げるか」と考えてみると、必ず、次の一手が見えてくるもの』と醒めた目で回りを見回し、自分の立ち位置、居場所をつかんでゆきます。

・『損したくないことばかり考えていると、人はずるくなる。少しでも人より得しようと思うから、「だったらズルしちゃえ」という気持ちが出てしまう。それが、どんどん卑しい気持ちに結びついてしまう』と、卑しい気持ちになることを戒めていました。

・彼女にとっては『人の気持ちとカネをあてにするというのは、「自分なりの次の一手」を打ち続けることを自ら手放してしまうこと』とも『自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえたことの報酬』と、けなげに述べています。

そんな苦労をした中で彼女が重要と思っているのが『子供時代からの金銭感覚』。『金銭感覚っていうのは、日々の習慣の積み重ねによって作られてゆくものなんだよ。ギャンブルや、投資、借金は、その人の金銭感覚を拡大して見せてくれるものだけど、その金銭感覚を作る元は、子供のころからの日常の習慣なんだと思う。』と述べています。

そして最終章の近くにようやく『そして「鴨ちゃん」のこと』が出てきました。

『アルコール依存症っていうのは、おそろしい病気なんだよ。家族の愛情や支えでどうにかしようっていうのが、まちがいなの。病気だから、専門の病院にかかることが必要だった。』と以下に記載がありました。

 

結論:西原理恵子さんが、生きるため、働くためにおかねが如何に重要かということを
自らの壮絶な半生を交えながら丁寧に説明してくれている本でした。子供にも一読を勧めたいと思う本でした。

参考:映画:「酔いがさめたらうちに帰ろう」も有るそうです。

 

 

 


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