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2018年5月29日

9896:眼を両脇に持つ動物はどのように見ているか?

9896:Q:眼を両脇に持つ動物はどのように見ているか?というお題をいただきました

その答の概要です。詳細は9月頃に掲載文が出てからご覧ください。

 草食獣と肉食獣の視野

ヒトは両眼視をするために眼が顔の前面に2つ並んでいる。動物では食べるものによって草食獣と肉食獣に分けられ、それぞれ眼の位置が異なることに気付く。まず、ネコなどの肉食獣ではヒト同様に左右眼が比較的前面についていて、両眼視できる範囲が広い。黄斑領域も左右眼で重複視している。一方、草食獣では左右の眼が体の側方についていて左右眼の重なる部分が少ない。肉食獣では両眼視差を検出して立体視による深視覚を得ている。捕食される側の草食獣では後方の見えない範囲が狭くなり、自分を捕食する恐れのある敵を早く発見でき、その敵から早く逃げることを容易にしている。1

注目されるのが鳥類である。フクロウの例外を除いて、鳥類の両眼視は確実性と相対的な深さの認識を知覚させる高次機能をほとんど持たないと考えられている。両眼視は、移動方向に見える視野を有する必要性の結果である。大多数の鳥類では、両眼視機能は両眼が一緒になって行うことができる事にあるのではなくて、それぞれの眼が独立して働いているように見える。

左右の視野の交差は視神経交叉の程度によって決定されている。原因は不明だが、全身に色素が欠損して居るalbino(白児症)個体では、本来多くの交差線維を持つラットやヒトなどにおいても、視神経交叉線維の割合が少ないことが知られている。albino患者の片眼を視覚刺激すると、正常のコントロールとは違って増加した視神経交差繊維の働きで対側の視覚領が有意に活動を高めるのを見ることができる。2

 

1) 魚里博.動物の視野.根木昭, .編 眼のサイエンス.視覚の不思議:東京:文光堂; 2010. p.238-39.

 

2Nakagawa Y, Kiyosawa M, Tamai M, Ito M. Positron emission tomography and 18F-fluorodeoxyglucose for the detection of visual pathway abnormalities in albinism. Am J Ophthalmol. 1993; 116: 112-3.


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