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2018年2月27日

9642:ポピュリズムが生んだ「2.26事件」

9642:ポピュリズムが生んだ「2.26事件」

清澤のコメント:戦前日本のポピュリズム日米戦争への道 (中公新書)の著者筒井清忠・帝京大教授は、現代におけるポピュリズム(大衆の人気による政治)のまん延を指摘し、近代日本の唯一のクーデターだった「2.26事件」(1936年)は、そうしたポピュリズムが行きついた結果の1つだという。あたかも2日26日は首都東京に戒厳令がしかれて82年目。筒井氏はポピュリズムとクーデター失敗の原因を次のように解説した。

 

ポピュリズムが生んだ「2.26事件」記事紹介http://bizgate.nikkei.co.jp/article/158564510.html

―――要点――

◎現代日本政治が払拭しきれない戦前ポピュリズム

戦前の日本は大衆の力が強く、実際の政治に影響を与えていた。

大衆の力が大きな影響を与えたのは日比谷焼き打ち事件(1905年)。さらに普通選挙法の制定(25年)で、政策論争よりも反対党のスキャンダル暴露に政党は力を入れ、マスコミ報道もポピュリズム傾向を助長した。その結果、国民間に政党不信・幻滅が広がり、2大政党制は終わった。

政治力が行き過ぎて政党政治が崩壊。次に来たのが『天皇親政』的ポピュリズム。その時代に2.26事件が起き、翼賛体制がつくられ、日米戦争に突入した。国際的にもポピュリズムは隆盛。大衆は戦争を支持し、だれも止められなかった。

◎緻密だった「2.26事件」の行動計画

戦前のポピュリズムが生んだ「2.26事件」。陸軍青年将校らが「昭和維新」を目指し、首相官邸など襲撃し中枢部を占拠した。

2.26事件にはポピュリズムが大きく影響した。先に犬養毅首相らを殺害した5.15事件では首謀者らに世間の同情が集まった。やった事は悪いが心情は許されて良いというわけ。尉官クラスが社会の逼塞状況をみて義憤に駆られ、襲撃した印象。

◎クーデターを食い止めた木戸幸一・湯浅倉平

襲撃・排除するターゲットは合理的だった。否応なく自分らが推す真崎甚三郎・陸軍大将が後継首相になるよう計画した。

〇クーデターに失敗した原因は?

情報戦で敗れた。第1に昭和天皇が皇道派に同情的だとの情報を鵜呑みにした。第2に木戸幸一・内大臣秘書官長(後の内相)と湯浅倉平・宮内大臣の動きを軽視した。2人は①後継暫定内閣を許さない②反乱鎮圧の2点に絞り、昭和天皇にアドバイスした。

〇もし2.26事件が成功するとしたらどの段階だったか。

28日に、青年将校に同情的だった石原莞爾・陸軍大佐が①建国精神の明徴②国民生活の安定③国防の充実の3点に絞って昭和天皇のお言葉をいただく、これが聞かれなければ鎮圧という案をまとめた。これが26日中なら、クーデター成功の可能性はあっただろう。


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