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2018年2月17日

9611:「認知症の診断と治療」一宮洋介先生の聴講メモ

平成29年度 第2回東京都かかりつけ医認知症研修を聴講してきました。

216日順天堂東京江東高齢者医療センター会議室

以下は③「認知症の診断と治療」の聴講メモです。

講師は順天堂東京江東高齢者医療センター副院長、メンタルクリニック教授、認知症疾患医療センター長 一宮洋介先生

 

・認知症病棟入院患者の60%がアルツハイマー病、19%がDLB(レビー小体認知症)、5%が脳血管性認知症。

・治療可能な認知症には:慢性硬膜下血種、正常圧水頭症、梅毒、脳腫瘍などがある。

・アルツハイマー病:1906年最初の報告。

・前頭側頭葉変性症(FTLD:前頭側頭型認知症(以前のピック病のことか?)

・レビー小体型認知症:1976小坂がレビー小体病を報告。繰り返す幻視やレム睡眠行動障害が特徴。基底核のドパミン取込低下など。

・アルツハイマー病の治療アプローチ

危険因子(加齢、遺伝、環境、生活習慣)に向けた予防療法

原因(β蛋白、Tau蛋白、脳萎縮)に向けた原因療法

症状(中核症状、BPSD)に向けた対症療法を行う。

・アルツハイマー病の治療薬

①アセチルコリンエステラーゼ阻害薬⇒コリン仮説に基づく薬物療法

ドネベジル(アリセプト)、ガランタミン、リスパダール

②グルタミン酸拮抗薬⇒NMDA受容体拮抗薬(興奮毒性を調整し神経細胞を保護)

メマンチン

・BPSD(行動・心理症状)治療:生活機能訓練、認知症患者リハビリ、グループ療法、地域連携、薬物療法

・BPSDに対する薬物療法:抗認知症薬(上記)、非定型抗精神病薬、抗うつ薬(パキシルなど)、抗てんかん薬(ガバペンチンなど)、睡眠薬、漢方薬(抑肝散)

・非定型抗精神病薬の副作用プロファイル:①急性ESP(錐体外路症状)、②鎮静作用、③抗コリン作用について各薬剤の反応性を考えて薬剤を選ぶ。

・かかりつけ医の為のBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン:非薬物療法を最優先。各種確認事項。抗精神病薬は併用しない。

 

清澤のコメント:1985年頃には留学先で実験的アルツハイマー病モデル動物の脳糖代謝の変化が抗コリン薬を投与することでどう変容するか?というPETを使った測定に従事していました。その頃のことを懐かしく思い出しました。神経眼科医としては、レビー小体型認知症の幻視の原因についても勉強してみたいものです。


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