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2017年12月20日

9448:ヒトの視覚感度を考慮した半透明ペロブスカイト太陽電池の開発:東大プレスリリースから

zu2ヒトの視覚感度を考慮した半透明ペロブスカイト太陽電池の開発:東大プレスリリースから

 

○ポイント

◆景色が透けて見える半透明なペロブスカイト太陽電池を開発した。

◆人間の目が捉えにくい赤い光を効率的にエネルギー変換する工夫により、透明化に伴う光エネルギーの損失を減らした。

◆その結果、半透明ながら約10%のエネルギー変換効率を達成した。

 

○発表概要

東京大学 生産技術研究所のキム
ギュミン 大学院生(当時)と立間 徹 教授は、半透明ながらも約10%という高いエネルギー変換効率を示すペロブスカイト太陽電池の開発に成功した。窓ガラスなどへの利用が期待される。

半透明な太陽電池は、光吸収層を薄くすれば作製できるが、その分エネルギー変換効率も低下する。そこで、人間の視覚が青や赤の光にはそれほど敏感ではないという特性を利用し、それらの光を効率よく吸収してエネルギーに変え、効率をあまり低下させずに見た目の透明度を高めることに成功した。

最近注目されているペロブスカイト太陽電池は青い光を効率よく利用できる。これに銀ナノ粒子を組み合わせ、プラズモン共鳴によって赤い光の利用効率を高めた。

 

人間の視覚が認識しづらい短波長光(図の左側)はペロブスカイトで効率よく吸収し、長波長光(図の右側)はプラズモンのアンテナ効果で吸収を補助する。

 

○発表内容

波長の長い赤色光に対する変換効率を高めるために、プラズモン共鳴という現象を利用した。金や銀などのナノ粒子は、プラズモン共鳴により、特定の波長の光を吸収する。この金属ナノ粒子は光を吸収し、そのエネルギーを近くの物質に渡す、という性質(アンテナ効果)をもつ。銀ナノキューブの強いアンテナ効果と、「電極カップリング効果」の2効果を組み合わせ、人間の視覚では捉えにくい赤い光のエネルギーをペロブスカイト層に渡し、長波長での変換効率を高めた。

<研究の内容>

通常のペロブスカイト太陽電池が持つ、不透明な銀電極の厚さを10ナノメートルにすることで半透明にした。そして、エネルギー変換効率を9.7%に保てた。人間の視覚感度も考慮した「視覚透明度指標」は、ペロブスカイト層を薄くする前と比べて28%上昇した。

こうした半透明太陽電池は、住宅やオフィスビルなどの窓ガラス、サンルームやカーポートの半透明屋根、自動車やバスのスモークガラスやサンルーフなどへの応用が期待される。

 

○発表雑誌

雑誌名:Scientific Reports

論文タイトル:Semi-transparent Perovskite Solar Cells Developed by Considering
Human Luminosity Function
(ヒトの視覚感度を考慮した半透明ペロブスカイト太陽電池の開発)

Categorised in: ご近所の話題