お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2017年10月16日

9278:眼科診療に欠かせないロービジョンケア :聴講印象記

眼科診療に欠かせないロービジョンケア :聴講印象記

 1350 1520 5会場

 

ロービジョンケアの必要性は知っているが、始めるのをためらっている眼科医のための、眼科診療にロービジョンケアを当たり前のように取り入れるためのインストラクションコース。最近は自分の専門ではないが、聞きやすいことからわたくしはこのようなセッションを聞くことが多いです。

 

1)山本修一(千葉大): 「ロービジョンケアが眼科診療の品格を上げる」と題して、眼科診療の中でロービジョンケアを取り入れることがいかに大切なことなのかを説明した。

 

2)加藤聡(東京大):「ロービジョンで困ること 」と題し、視覚障害者が具体的にどういうことで困っているかについて話していた。

□ロービジョンケアが必要なときは視覚障害者が主体的に決める。 

ロービジョンケアの開始時期は視力や視野の程度だけで決まるものではない。 

眼科医は告知も重要だが、その際のケアがあって初めて有効となる。などなど。

 

3)三宅琢(東京医大):その中の一つに就労があり 、その解決方法の一つとして「ロービジョン患者へのICT機器の活用」について。これからのロービジョンケアにおけるICT機器の重要性を解説した。


視覚障害者は移動障害を伴う情報障害者 ICT機器は視覚障害者の情報アクセス障害を 軽減するロービジョンエイド ICT機器は当事者と支援者をつなぐ、新しいコミュニケーションツール 情報社会とIOTの時代において、情報ケアとロービジョンケアの併用は情報障害者の困難さを軽減する。

(清澤注:最近彼が繰り返し話している情報保証という点がポイントだと思った。)

 

4)新井三樹(新井眼科医院):盲導犬への誤解が眼科医療従事者にも多いのが現状であり、盲導犬について正しく理解することを目的とする。盲導犬を手にいれるには、

・盲導犬協会、役所に希望を伝える

  面接、訪問などで飼育環境、患者さんの体力などを確認して盲導犬歩行指導待機者として登録

  順番がきたら、犬と一緒に4週間の共同訓練を受け、盲導犬使用者(ユーザー)として認定され盲導犬を受け取る


2a8f598d(清澤注:盲導犬協会によって交付される盲導犬をかたどった寄付金箱があります。これを院内に置くと定期的に寄付金をまとめて送り、盲導犬協会を助けることもできます)

 

5)国松志保(東北大):「視覚障害者と自動車運転」 について、視覚障害者の自動車運転の特性と、それに対する対応について解説した。この演者はすでに多数の文献を継続的に発信している。


・ロービジョン患者の1割が運転をしており、運転を続けている人の3割に事故歴があった。

ドライビングシミュレータを施行することにより、どのようにあぶないかを知らせることができ、有効。

ドライビングシミュレータでの事故が多い人ほど、7年後に運転を中止していた。ドライビングシミュレータは患者教育に有効である可能性がある。

(清澤注:欠損視野別の危険を示すフローチャートが秀逸)

 

6)仲泊聡(理化学研究所)仲泊が「福祉を最大限活用しよう」と 題して、視覚障害者に関わる福祉制度について説明した。

連携先として検討するところとしては、 1) リハ施設・盲導犬施設 2) 盲学校(特別支援学校) 3) 点字図書館 4) 当事者団体 5) 介護施設 6) 役所・保健所・ハローワーク 7) 企業・ボランティアを挙げ、各自詳しく説明していた。

 

ロービッョンケアを専門にしていない眼科医やスタッフが、明日からの眼科診療でロービジョンケアを始められるように役立つ内容となっていた。


Categorised in: ご近所の話題