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2017年10月16日

9279:OCTプラスベータを聞きました:聴講印象記です

OCTプラスベータを聞きました

日曜日の午前はOCTの新しい技術を解説するOCTプラスアルファと、次の疾患への応用展開を紹介するOCTプラスベータの2つのセッションを連続で聞きました。抄録を見ながら発表の概要を思い出してみました。

1)先天性乳頭部形態異常とOC丁 平形明人 (杏林大 )
乳頭ピット、乳頭コロボーマ、朝顔症候群、乳頭周囲ぶどう腫などを詳細に調べ、網膜下の空隙と硝子体腔が連続していることなどを示していました。乳頭ピットに合併する網膜分離や網膜剥離のOCT所見を克明に提示していました。若年の網膜分離症は自然に復位するものもあるそうです。

2)緑内障の篩状板変化とOC丁 面高宗子 (東北大 )
緑内障では篩状板の穴の形が変化していて、また篩状板と強膜の間にギャップなどもあるのですが、それがOCTで評価できるというお話でした。前視野緑内障も含めた研究の進行が興味を引くところでした。

3)超広角OCTによる病的近視の眼球形状解析 大野京子、篠原宏成 (東京医歯大)
脈絡膜まで見られる超広角キャノンのプロトタイプOCTを使って、近視におけるぶどう腫や黄斑のドーム状隆起を検索して、ぶどう腫の縁では脈絡膜が薄くなっていることを見せていました。先のT2強調画像を再構成して強度近視における後部ぶどう腫による眼球変形を示したMRIでの研究の進化型です。

4) 近視性視神経乳頭構造変化が緑内障性視野障害に与える影響  澤田有 (秋田大)
近視は緑内障のリスク因子である。近視の傾斜乳頭では篩状板で軸索障害を示す。緑内障における篩状板の深部構造を検討していた。視神経乳頭の傾斜と、それに伴う乳頭周囲組織の耳側変位が視野変化と相関しているという。篩状板の耳側にできる強膜との間のギャップも重要な所見で有るらしい。篩状板孔の耳側への進展拡大が眼圧を含む緑内障ストレスに対する脆弱性の原因ではないかという。視神経の脆弱性というベッカーシェッファーの初期の教科書にあり、のちに削除されてしまった概念を、この知見で説明できるかもしれないと感じた。

5)頭蓋内疾患とOCT 三木淳司 (川崎医大)
三木先生は網膜の黄斑マップで、大脳に原因のある半盲が検出できることをここ2012年よりも少し前から追求しています。経シナプス性の変性には順行性変性と逆行性変性があり、三木先生が扱っているのは逆行性変性ということになります。私の見た症例では一月程度でも視野に対応する網膜菲薄化が認められましたが、彼の研究では2年程度の長期にわたってこの網膜内層の菲薄化は進行するのだそうです。


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