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2017年10月15日

9274: 『AV女優消滅』(中村淳彦著)読んでみました。

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社会や家族のセーフティネットから落ちこぼれた最貧困層女子の苦境はしばしば聞くところですが、書店で見た新刊書に『AV女優消滅』というものが有ったので、手にしてみました。AV業界の闇を描いています。まあ、世の表の暮らしとは別の世界でもありますが、本日はオンライン版東洋経済ライフ・ファッション欄に「中村淳彦氏の最新刊『AV女優消滅 セックス労働から逃げ出す女たち』からの一部転載」(http://toyokeizai.net/articles/-/192076)が掲載されていましたので、その一部を抄出し引用紹介します。

 

家賃4万円風呂なし、AV女優の過酷すぎる貧困

16年前と比べて月収は85%も減っている

中村 淳彦 : ノンフィクションライター

20171012

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絶望的な負の連鎖に巻き込まれるAV女優は、深刻な収入減となっている。20163月、自らの意思に反してAV作品に出演させられた女性たちの存在を女性支援団体が発表。その後、被害者の告発が相次いだことで、「AV出演強要問題」が社会に表面化した。

 

AV女優はお金になる、稼げる。簡単に価値が認められる仕事の代名詞として、ずっと世間に認識されてきた。しかし、その定説は完全に崩壊している。

客層は主に40代以上、市場はどんどんと小さくなっている。メーカーは利益を確保するため、製作費を下げながらタイトル数を増やし、供給過剰でいくらでも替えが利くAV女優は使い捨てとなる。1本あたりの売り上げは全盛期の6割、7割ダウンという状態。AV女優の出演料の原資となる製作費は下がり続ける。絶望的な負の連鎖に巻き込まれるAV女優は、深刻な収入減となっている。

 

家賃4万円の風呂なしアパートに暮らすAV女優

厳しすぎる状況の中で、ついに上位層である企画単体女優の貧困が始まってしまった。

隙間風が吹きつける劣悪なアパートの部屋で、限界に近い貧乏を耐え忍びながら、前向きにAV女優をする。常時4000人程度が入れ替わるAV女優の中で上位15パーセントの層にいながら、AV女優としての収入は、年収換算で180万~240万円で、年収は低賃金が社会問題になる非常勤介護職程度。

収入はどれぐらい減ってしまったのか

2001年の1カ月の収入】40万円⇒2017年の1カ月の収入】125000円。

AV女優は、お金になる仕事どころか、もはや最低限の生活すら危うい仕事なのだ。アダルトメディア事業を基盤に拡大したDMMは長期的な戦略で次々と他事業に進出したが、その他多くの中小企業でしかないメーカーには、他のことはできない。

実は女優以外の関係者のセーフティネット

AV業界が存亡の危機に立たされる中で、AV業界がセーフティネットとなっているのは、実はAV女優以外の関係者である。

AV業界のシステムは、スカウトやプロダクションが商品である女性を仕入れて、女性の裸やセックスに依存しながらメーカーや制作会社が映像を撮影、DVDやネット配信、有料放送して男性客に販売する。利益が上がらなくなったら女性は交換。

AV女優の力を借りなければ、多くのAV監督、AV男優、メーカー経営者、プロデューサー、専門誌編集者、AVライター、プロダクションマネジャーあたりは、とても生きていけない。AV業界が消滅しても、AV女優たちの選択肢はたくさんあるのだ。

強要問題の解決は、存続の絶対条件

問題を解決するには、AV業界がセーフティネットになるのは女優以外の関係者だということを理解する必要がある。

警察が目を光らせ、厳しい法規制をかけてAV業界を潰したとしても、AV関係者は必ず残って需要に応えようと業務を継続する。地下経済化するため、いわゆる地下AV業界となる。グレーなりにも産業として成り立っていることで、未成年児童の出演に歯止めがかかっているのは、社会として大きな利点の一つ。

地下AV業界内部でのトラブルは間違いなく多発する

さらに女性の取り合いや人材獲得トラブルで、地下AV業界内部での傷害、脅迫、恐喝は間違いなく多発する。荒廃は目に浮かぶ。さらに売り上げは反社会勢力へと流れて、薬物が蔓延し、海外への人身売買や臓器売買などのビジネスに発展するかもしれない。

現在の起こってしまった出演強要に過剰にこだわって、表面的な実態を知った市民が正義感で産業全体を潰しても、意味がないどころか、新たな危険とさらなる被害者を生む本末転倒の事態となる可能性が高いのだ。AV業界を潰すだけでは絶対に丸くはおさまらない。「AV業界は女優以外の関係者のセーフティネット」という現実は、出演強要撲滅を考える上で外すことのできない事実といえる。


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