お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2017年7月19日

9029:戦争は女の顔をしていない:読んでいます

51KpWtIRJ7L__SL500_戦争は女の顔をしていない

スベトラーナ・アレクシェービッチ著

三浦みどり訳 群像社

先のユダヤ人で戦争中はウクライナに隠れ住み、戦後米国で教育を受けてノーベル賞を受賞した人の自伝(それはあなたのもの 1943-ウクライナ: ロアルド・ホフマン著、川島慶子訳)を読んだときに、その訳者の注に出てきた本です。

この本は、ロシア軍に加わって、第二次大戦を戦って、精神的に強いトラウマを残した人々からの聞き語りを集めた本です。現在著者は自由な発言のできるドイツに逃れているのだそうです。

単純に、この本の印象を述べるのはむつかしいほどの悲惨な経験が限りなく記されています。彼女らは、日本でもそうだったのでしょうけれども、若かったがゆえに国を守るという思想にすっかり染まって、戦場に出た挙句、ひどい現実に直面させられ、さらに戦後になっても隠された存在であったということのようです。

ドイツが悪いとか、ロシア軍がポーランドや中国の戦線で悪事を働いたとかという話ではないのでしょう。

戦後70年以上が経ち、60歳を過ぎた私でさえも自国の戦争を知らない世代です。米国がベトナム、イランク、アフガニスタンで戦争をしていたのを見てきたとしてもそれは映像の世界の話。

米軍の退役軍人の検診をさせてもらうと、戦場に身を置いた経験者のPTSDの話に接することもありますけれど、短い診察時間の中では詳しい話を聞けることは極稀です。「今、何が怖いのですか?」という質問に「explosion」と答えられても実感は今一つ湧きません。その程度の話さえも、人々は語り継がれる話を聞く機会はきっと少ないことでしょう。

国民にいかなる不満があったとしても、戦争をその解決手段として選ぶような指導者を選んでしまってはいけないということなのでしょうか?

ーーーー


Categorised in: ご近所の話題