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2017年5月28日

8886: 第50回日本眼科講演会 聴講印象録

第50回日本眼科講演会

平成29年5月27日(土)霞が関3丁目 灘尾ホール

1、基調講演「房水流出路の現状」東京大 相原一
 眼圧の生理学的研究は多くの仮説に立脚する1950年代のGoldman equationから進んでいない。線維柱帯の抵抗を無くして期待されるのは12-13mmHg。主経路の抵抗上昇の原因は細胞外マトリクスの沈着による。主経路に作用するのは副交感神経作動薬(ピロカルピン)とROCK阻害薬。副経路に効くのはPGだが、機序は不詳。

2、ミニシンポジウム 房水流出路改善による眼圧下降治療の可能性
1)「房水流出促進の薬物治療」東京大 本庄恵

PG関連薬が最も強力な眼圧下降効果を示し、全身的副作用が少ないので第一選択薬。多剤併用が必要になるケースも多いが、局所と全身の副作用が問題となる。セカンドラインドラッグとして:ベータ遮断薬、炭酸脱水素酵素阻害薬、α2刺激薬、およびROCK阻害薬。
ROCK阻害薬は初めて主経路に作用する初めての薬物。血管拡張に伴う充血の副作用があるが、全身副作用の報告はない。緑内障での眼圧上昇は主経路の抵抗増大。ROCK阻害薬は細胞骨格を修飾し、房水流出抵抗を低下させる。基礎研究レベルで、視神経乳頭血流改善、アポトーシス抑制での神経保護効果が期待される。

清澤のコメント:演者の学位論文研究のテーマであったROCK阻害薬について主に説明していた。プロスタ系を使って、次のベータが使えないケースには試せそうである。

2)「切開による流出路再建の成績と問題点」北里大 庄司信行
○濾過手術は:視野が中期から後期で目標眼圧10代前半
○流出路再建術(線維柱帯切開術):視野障害早期、目標眼圧10代半ば~後半の時
(1)眼外法(ab interno)=メタル・ロトミーとスーチャー・ロトミーがある。眼外法は欧米ではシュレム管の把握の難易度が高いとされた。
(2)眼内法 MIGS(minimally invasive glaucoma surgery)
トラベクトーム:ジアテルミー機能で線維柱帯を焼灼
フック類:Kahook氏のブレードや谷戸氏(松江赤十字病院 眼科部長 谷戸正樹先生)のフックはコスト面で利点があるが、時に出血で視認性に難あり。
演者はトラベクトームでの経験を詳しく述べていた。

参考までに谷戸氏フックでの手術をユ―チューブから借用

3)、「房水流出促進の極低侵襲緑内障手術」 慶応大 芝大介

極低侵襲緑内障手術(MIGS: minimally invasive glaucoma surgeries)
まず白内障手術は眼圧を下げる効果が強い。ステントに2系統あり。
(1) 経シュレム管流出路の強化によるタイプ
imagesB7EV2O5C
iStent:ガイドライン参照、日本では1本で。(図の左A)隅角鏡下でこれをシュレム管に正確に挿入するのは容易ではない。この改良型がiStent Injectでこれを垂直に押し込む:(図の右B)

RP-TechUpdate-HydrusHydrus:未承認 6mmの形状記憶合金製のステント。シュレム管径を広げ、左右のつながりを広げる。

(2)ぶどう膜強膜流出路の強化によるタイプ
IyK7CrQE28CJ○CyPass Micro-Stent:多孔性ポリイミド製で長さ6.35mm。隅角鏡下で強膜岬と毛様体筋の間に挿入し、前房から上脈絡膜腔への交通を作る。白内障との同時手術を想定。
○iStentsupra
無題


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