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2017年2月12日

8573:先天眼底疾患(病診連携・よくある眼底疾患)仁科幸子先生:聴講印象記です 

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8573:先天眼底疾患(病診連携・よくある眼底疾患)仁科幸子先生:聴講印象記です 

先天眼底疾患 仁科幸子先生(国立成育医療研究センター眼科・視覚科学研究室)
日本眼科医会第72回生涯教育講座から、

 最近、難しい斜視や黄斑分離症などしばしば仁科先生には診断と治療をお願いしております。お話を聞いてみると、町の医師が「眼底を見て診断が分かった」というだけでは不十分で、「合併しうる可能性のある全身症状について小児科との相談」や「脳の画像診断」までをしなくてはいけないものも数多くあるようです。それも考えると、成育医療研究センターを含む専門病院への紹介が必要な例は多そうです。
図は色素失調症(Indian j Dermatolから借用)
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 はじめに

Ⅰ、先天性眼疾患を早期に発見するために

Ⅱ、乳幼児の眼底疾患の診かた
1、眼底検査の前に診ておくこと
2、乳幼児の眼底の診かた
3、病診連携の必要性

Ⅲ、頻度の高い先天眼疾患・病診連携のポイント
1、血管疾患
(1)家族性滲出性硝子体網膜症(familial exudative vitreoretinopathy:FEVR)
(2)胎生血管系遺残(persistent fetal vasculature)
(3)コーツ病
(4)色素失調症(Bloch-Sulzberger症候群)
(5)Norrie病

2、網膜変性・ジスオロフィー
(1)レーベル先天黒内障
(2)網膜色素変性症
(3)先天網膜分離症
(4)先天停止性夜盲
(5)先天錐体機能不全(錐体一色覚)
(6)遺伝性網膜硝子体ジストロフィー

3、網脈絡膜形成異常
(1)黄斑低形成
(2)網膜有髄神経線維
(3)脈絡膜コロボーマ

4、視神経形成異常
(1)視神経低形成
(2)朝顔症候群

Ⅳ、長期管理・フォローアップ

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0:はじめに
 先天性眼底疾患は小児視覚障害の30%。0歳代でいかに発見するか?が大切。

Ⅰ、先天性眼疾患を早期に発見するために
 視反応不良、眼振・異常眼球運動、白色瞳孔、小眼球などで発見されることが多い。
 乳幼児の斜視は眼底を見よう。
 良い方の眼を隠すときの嫌悪反応にも注目
 剥離や遺伝性疾患の家族歴は性差の要件である

Ⅱ、乳幼児の眼底疾患の診かた
1、眼底検査の前に診ておくこと:外観、固視、追視、眼位・頭位。検影法。スポットビジョンスクリーナーなど。

2、乳幼児の眼底の診かた
 散瞳検査。レットカムやオプトスが有効(変なら紹介するという事!)。中心窩がはっきりするのは生後3か月。乳頭の大きさ(DM/DD比)。白色瞳孔の原因疾患は、、

3、病診連携の必要性
 FAを全身麻酔化で行う必要も考えて紹介する。昨日弱視と紛らわしいならOCTやERG要。
 
Ⅲ、頻度の高い先天眼疾患・病診連携のポイント
1、血管疾患
(1)家族性滲出性硝子体網膜症(familial exudative vitreoretinopathy:FEVR):
 「成熟児に起こる未熟児網膜症」と称される変化。早期に送り、レーザーにつなぐ。複数の原因遺伝子あり。兄弟、家族も検査する。

(2)胎生血管系遺残(persistent fetal vasculature)
 総称としてPFV。PHPV、瞳孔膜遺残、ベルグマイヤー乳頭など様々なものを含む。

(3)コーツ病
 網膜下の滲出物。片眼で男児に多い。診断はFA。光凝固や冷凍凝固も。

(4)色素失調症(Bloch-Sulzberger症候群)
 NEMO遺伝子。皮膚に色素斑。女児。網膜血管閉塞。FAとレーザー。 

(5)Norrie病
 先天性網膜剥離。NDP遺伝子。難聴や発育遅滞も多い。

2、網膜変性・ジスオロフィー
(1)レーベル先天黒内障
 出生早期に高度の視覚障害。ERGは平坦。ロービジョンケア必要。

(2)網膜色素変性症
 ERG,OCTに所見。全身症状を伴うバリエーションあり。

(3)先天網膜分離症
 XLRS1遺伝子。レチノスキシンの障害。黄斑部の車軸状分離など。X染色体劣性、男児。

(4)先天停止性夜盲
 視力不良と夜盲。完全型と不全型を分ける。X染色体劣性遺伝が多い。ERGに特徴あり。

(5)先天錐体機能不全(錐体一色覚)
 著名な羞明を訴える。昼盲。眼振、眼底は正常でERGで判断される。3種の遺伝子が知られる。0,1-0,2程度。

(6)遺伝性網膜硝子体ジストロフィー
 スティックラー、ゴールドマン-ファーブル症候群などを含む。強度近視と白内障、小児で網膜剥離。

3、網脈絡膜形成異常
(1)黄斑低形成
 先天無虹彩や白児症でPAX6持つものが多い。孤発例にはウイルムス腫瘍多い。

(2)網膜有髄神経線維
 特徴的眼底所見。屈折を診ておく。

(3)脈絡膜コロボーマ
 下方の脈絡膜の欠損。時に小眼球。

4、視神経形成異常
(1)視神経低形成
 ダブルリングサイン。乳頭が小さい。septooptic dysplasiaなど中枢神経や内分泌異常がありうる。

(2)朝顔症候群

Ⅳ、長期管理・フォローアップ
 学童期以後に剥離や硝子体出血がありうるから慎重な経過観察を。

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