お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2021年6月24日

12959:緑内障院内勉強会:聴講記録フルバージョンです

清澤のコメント:6月10日千寿製薬担当者の講演で行われた院内緑内障勉強会の聴講記録です。当日の作成記載したメモは、本記事の末尾にリンクします。

①超高齢社会の緑内障 ー 患者と治療を考える ー

わが国の高齢化率(総人口に対する65歳以上の人口割合)は増加の一途をたどり、その割合によって「高齢化社会(7%以上)、高齢社会(14%以上)、超高齢社会(21%以上)」と定義されている。日本は2007年に高齢化率21.49%の超高齢社会となり、いまに続いている。

超高齢社会は単なる社会問題ではなく、高齢者は生理機能が低下し、さまざまな疾患を抱えていることも多いことから、我々眼科の診療においても影響をもたらす。

特に加齢とともに有病率が増加し、なおかつ超慢性疾患で治療が生涯におよぶ「緑内障」は、高齢というキーワードと繋がりが強いことは想像に難くない。

ここでは、我々を取り巻く超高齢社会の現状を踏まえ、改めて緑内障診療について考えたいと思う。

〔監修コメント〕                中野匡先生(東京慈恵会医科大学 主任教授)

②いまの日本は、日本人の平均寿命は年々右肩上がりを続けており、日本人の高齢化率(65歳以上)を平成から令和へとみていきますと、平成のはじめの平成2年で12.1%であったのが、平成が終り令和になるころの平成30年で28.1%と、2倍以上の増加となり、さらに約30年後の令和27年では平成2年の3倍にまで増加している。

※参考 人口推計(総務省) 令和元年版高齢白書(内閣府)

また、日本の高齢化といっても都道府県ごとでも違いがある。

2018年(平成30年)に高齢化率が最も高かった秋田は36.4%と、最低の沖縄の1.5倍であった。その秋田は2045年(令和27年)には、高齢化率が50%を超えると推定されている。

※参考 令和元年版高齢社会白書(内閣府)

平均寿命について、見てみますと、男女ともに2020年(令和2年)は1990年(平成2年)のプラス5歳、2065年(令和47年)は平成2年のプラス10歳にまで伸びると推計されることから「平均寿命の延びを見据え、より長く視野を維持する」ことが必要といえる。

平均寿命の延びを考慮した治療においては、長期の治療中に、生理機能が低下したり、全身疾患を合併している可能性があることを考慮する必要がある。

また、眼科診療ではこうした点(生理機能の低下・全身疾患)は患者の訴えがないと、気づきにくいという問題もある。

まとめ

超高齢社会の『緑内障の患者』をみていくと、“日本人の急速な高齢化”と“緑内障は加齢で有病率が高まる”ことにより、高齢の緑内障患者が多く、患者数全体が増加していることがデータからも見えてきた。

『緑内障の治療』において、目標眼圧は平均寿命の延びを見据えてより長く視野が維持されるよう設定し、積極的に緑内障進行を減速させ健康寿命を延伸することが勧められる。

緑内障患者は高齢者が多くなるだけでなく、平均寿命の延びにより患者ひとりひとりの今後の治療も長期にわたる可能性がある。緑内障治療薬の中には、全身疾患に禁忌であるなど、全身への影響に注意を要する薬剤もある。
超高齢社会の『緑内障の治療』は、“加齢に伴う生理機能の低下・全身疾患の罹患”に配慮した薬剤選択や見直しが、これまで以上に必要になるといえるだろう。

〔監修コメント〕                中野匡先生(東京慈恵会医科大学 主任教授)

ブリモニジンファミリー~ブリモニジンを含有する3つの点眼薬~

監修:愛媛大学医学部眼科学教室 准教授 溝上 志朗先生

日本初のα2作動薬の緑内障・高眼圧症治療剤として2012年にアイファガン点眼液が承認され、多くの患者の治療に使われてきた。

一方、緑内障は多剤による治療を要する患者も多いことから2019年にはアイベータ配合点眼液、2020年にはアイラミド配合懸濁性点眼液といったブリモニジン酒石酸塩と異なる系統の薬剤を組み合わせた配合剤が承認された。

アイベータへの期待と注意点

アイベータが含有するβ遮断薬は、緑内障診療ガイドライン(第4版)に「眼圧下降と認容性の面で第一選択になり得る」と記載されているように、緑内障治療を長く支えてきた信頼のある薬剤で、多くの配合点眼薬に配合されている。

β遮断薬で注意しなければならないこととして、複数の全身疾患に対して禁忌であることが挙げられる。

アイベータはpH6.9~7.3、浸透圧比0.9~1.1の水性点眼剤であり、使用感による点眼アドヒアランス低下への影響は少ないものと期待している。

アイラミドの期待と注意点

アイラミドはβ遮断薬を含んでおらず、禁忌などでβ遮断薬が適さない患者にも投与可能な配合点眼薬です。一方でアイラミドは重篤な腎障害のある患者には禁忌です。

PG関連薬/β遮断薬の配合点眼薬との併用で「2本で4成分」の投与が可能であり、多剤による治療が必要な患者にとっては、剤数の負担を軽減する選択肢となります。

アイラミドは懸濁性の薬剤ですので霧視の可能性もあります。

3剤共通

アイファガン、アイベータ、アイラミドは患者に配慮された点眼容器であることも特徴でノズル先端の視認性が良いことがわかっています。

ブリモニジンファミリーの容器の特徴

・持ちやすいボトル

・見やすいノズル

・転がりにくく、ひねりやすいキャップ

・アイベータ配合点眼液、アイラミド配合懸濁性点眼液が2色のキャップで2つの薬剤の配合を表現。上から見ると「花」模様。

追記:聴講当日に記載した講演の要点です。

Categorised in: 緑内障