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2020年7月30日

12134:原発開放隅角緑内障のゲノムワイド関連解析:記事紹介

本日フロンティアーズ・イン・グラウコーマというメディカルビュー社の雑誌59号が届けられました。開いてみますと:原発開放隅角緑内障のゲノムワイド関連解析という記事が出ていましたので、その概要を紹介します。

POAGは多因子疾患であり、遺伝要因と環境要因が発症にかかわる。

①原因遺伝子の変異で、POAGを発症する。(頻度が1%未満の稀な変異によって起きる)②遺伝的影響度が少ない多数の遺伝子マーカーが累積して発症リスクを高める。大多数のPOAGはこちら。

ゲノムワイド関連解析(GWAS)SNPsに個人で差がある部位について網羅的に調べる。

日本人のPOAG発症の遺伝要因の解明:4000人のPOAG、対照群1,8万人で、約600万SNPsのスクリーニングをした。11か所の遺伝子マーカーの同定に成功し、うち7個所は新規だった。POAGは2型糖尿病や心血管病と遺伝子背景を共有していた。

GWASデータを用いた緑内障発症リスクの予測:オッズ比は1.2程度。10か所を計算に加えるとオッズ比は2.5に上昇する(Mabuchiらが計算した)MacGregorらは103遺伝子で計算し、オッズ比は5.6だったと報告した。民族差もある。

GWASで同定された遺伝子マーカーの機能解析:SIX6遺伝子におけるエクソン内の変異はPOAGの発症のみならず、網膜神経節細胞厚にも変化を起こす。この研究にはiPS細胞が使われている。

今後の展開としては、遺伝子リスクスコアや遺伝子マーカーの機能探索には治療への道を開く可能性がある。この分野では民族差も絡むから、日本人でのレジストリの構築も大切でである。

Categorised in: 緑内障