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2020年5月30日

11933:妊産婦にタプロスは使えますか?(緑内障点眼薬)

どのような薬剤でも、あえて妊産婦に対して使ってその安全性が確認されいないことが多いので、このような記載になるのだと思われますが、説明書で見ると以下のように得失を勘案してというように記載されていました。授乳中は避けよとの記載です。主治医と相対でご相談ください。

タプロスの妊婦、産婦、授乳婦等への投与

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、動物実験では妊娠ラットに静脈内投与した場合、30μg/kg/日(臨床用量※の2000倍)では催奇形性及び着床後胚死亡率の増加がみられ、10μg/kg/日(臨床用量※の約670倍)では胎児の発育に対する影響(胎児体重の低値及び胸骨未骨化)が認められた。妊娠ウサギに静脈内投与した場合、0.1μg/kg/日(臨床用量※の約6.7倍)では流産、着床後死亡率の増加、黄体数・着床数の減少等が観察され、0.03μg/kg/日(臨床用量※の2倍)では催奇形性が認められた。妊娠・授乳ラットに静脈内投与した場合、1μg/kg/日(臨床用量※の約67倍)では母動物の哺育不良及び出生児の4日生存率の低値が認められた。また、摘出ラット子宮を用いた実験では、臨床用量※点眼投与時の推定血漿中濃度(30pg/mL未満)の約3.3倍、タンパク結合率にて換算した推定血漿中非結合型薬物濃度(0.24pg/mL未満)の約420倍で、子宮収縮への作用が認められている。]

※本剤0.0015%を60kgの患者の両眼に1回1滴(30μL)を点眼投与したときの投与量(0.015μg/kg/日)

2. 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット:点眼投与)で乳汁中への移行が報告されている。]

ここでこのブログの古い記事を引用しておきます::

1498: 緑内障治療薬と妊娠について

[緑内障治療薬と妊娠について]

こんばんは。私は29歳の時に自分で視野の異常を感じ眼科を受診したところ、中期の正常眼圧緑内障と診断されました。今は状態が落ち着いていると言われていて、一日にトラバタンズを1回、エイゾプトを2回点眼しています。
そして、今思いがけず二人目の子供を妊娠した可能性があります。まだ日が浅いため妊娠自体が確定ではありませんので、点眼は続けています。そこで質問なのですが、妊娠した可能性がある以上、すぐにでも点眼を中止すべきでしょうか?
以前、もしもこの先妊娠した場合…?と質問したとき、眼科の主治医には目薬の量は微量なので大した影響はないが、妊娠三ヶ月くらいまでは中止しますか?と言われ、一人目を出産した産婦人科では、目薬は内服薬ではないので気にしなくてよいと言われました。 しかし、医学書やネットで自分なりに調べてみると、緑内障治療薬の中には妊婦は投薬注意となっているものもあるようで胎児に何らかの影響があったらと心配です
通常、生理の遅れに気付いて産婦人科を受診するころには、殆どの方が妊娠二ヶ月に入っていると思います。
その診断を受けてから目薬を中止しても大丈夫なのでしょうか?また、私の眼科の主治医が言うように三ヶ月まで中止するだけでよいのか、様々な意見があるようですので不安です。
この文章だけでは断定的な回答は難しいと思いますが、この歳でもう緑内障中期と言われ、子供もほしいけど自分の目も大事…という欲張りな自分がいる分、悩んでしまいます。アドバイスよろしくお願いします。

ご質問ありがとうございます。これは良く聞かれる質問ですが、以前に考えたことのある問題で、以下のページにその答えをまとめてあります。


2008年11月21日
724 緑内障専門の木村先生に緑内障の薬物療法の話を聞いて来ました

https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51147160.html
木村先生の曰く;
妊娠した患者さんの緑内障点眼薬の継続の可否は良く聞かれる質問です。どの薬剤の説明を読んでも利害得失を考えて最小限にせよと書いてあるように思えてしまい、プリンシプルが見えませんでした。木村先生のお話によりますと、妊娠すると15-18%程度眼圧が下がるので、点眼を中止しても期待する眼圧を保つ事が出来る場合が少なくないそうです。
妊娠中の点眼薬は十分に適否を考えて使う必要がありますが、もっとも使いやすいのはベータブロッカー(0.5%チモプトールなど)。プロスタグランディン製剤(つまりタプロスはこれです)は点眼でも子宮収縮を促す場合があって使うべきではない。流産の報告も有るらしいです。炭酸脱水素酵素阻害薬(エイゾプトやトルソプト)には催奇形性が有りますので、経口でも点眼でもその妊娠中の使用は避けるべきであるという事でした。このあたりを押さえて明日からの妊産婦の緑内障に対応してみましょう。

私ならば視野にもよりますが、不整脈など心臓に問題が有る場合以外ならば、チモプトールにするか或いは薬を休んでみます。

Categorised in: 緑内障