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2019年9月19日

11094:アイファガン点眼液の視野維持効果について・中澤徹東北大教授)の話印象録

千寿Webセミナーアイファガン点眼液の視野維持効果について(中澤徹・東北大教授)の話を聞いてきました。私が参加した会場での参加者は7人でした。

ーー聴講要旨と印象記ーーー

後天的な失明者における緑内障によるものは、糖尿病網膜症など他の失明原因が減っているのに対して増えていて30%になりました。眼圧を下げるだけでは、50%で視野の進行は止まりません。中心視野に進行する緑内障患者を見極め、それを阻止しようという話でした。そこに虚血、慢性炎症、酸化ストレスなどの眼圧非依存因子が関与します。

前半部分は:緑内障の眼圧非依存因子:加齢、近視、家族歴、血流など多くの因子が知られる。レーザースペックルフローメトリーで、ノーマル>PPG>マイルド緑内障の順に乳頭血流が低下していることがわかる。PPGには緑内障に移行する例としない例が混在している。視野進行リスクが有意なのは視神経乳頭血流のみで、年齢、眼圧、灌流圧、などは有意ではない。OAG(開放隅角緑内障)とNTG(正常眼圧緑内障)には、明確(definite)な要素と可能性のある(probable)要素が多々挙げられるが、それにはイ)局諸要素とロ)全身要素が含まれる。

血流低下はどんな視野を作るか?

NTGでは灌流圧の低下が中心視野に影響する。その説明にNO(一酸化窒素)とエンドセリンの説がある。⇒黄緑色野菜を摂る人は緑内障になりにくい。⇒NO関連の遺伝子は?、⇒中心視野欠損例では血流障害がある。つまり、眼血流障害のある人は進行して中心視野を失いやすい。

酸化ストレスとは:①皮膚のAGE(長期酸化ストレス),②δ-OHdG(尿)、③dROM(血液、ダメージを受けた代謝産物)、④BQP(血液、血流の抗酸化力を評価)などで測られて、65歳より若い男で視野と抗酸化力が関連している(Himori 2016)。女性ではエストロゲンがこれを守っていて、閉経後に視野が進む。睡眠時無呼吸症候群でも視野は進む。酸化ストレスは神経節細胞を壊すが、毛細血管障害⇒篩状板変化⇒乳頭変化と2次的にも障害を広げる。

小括:緑内障と酸化ストレスには関係がある。現行の眼圧低下治療だけでは眼圧非依存因子には効果がない。

後半部分:ブリモニジンには眼圧下降作用に相応しない視野維持効果がある。

講演で紹介された論文の要旨(以下の内容はネットから採集しました)

Journal of Glaucoma. 28(7):575–583, JULY 2019

DOI: 10.1097/IJG.0000000000001285,
PMID: 31188229
抽象
プレシス:
ブリモニジンまたはチモロールの点滴は、開放隅角緑内障患者の視野の悪化を遅らせた。ブリモニジンとチモロールの両方が平均偏差(MD)勾配を改善する可能性がある。
目的:
この研究の目的は、開放隅角緑内障の進行性視野欠損に対する0.1%ブリモニジンおよび0.5%チモロールの効果を調査および比較すること。
患者と方法:
少なくとも1つのプロスタグランジン類似体で治療された68人の緑内障患者の各眼を評価した。彼らのベースラインMD勾配は、3年以内に少なくとも5回のハンフリーフィールドアナライザー測定に基づいて、-0.5 −dB / y未満であった。適格な目をブリモニジンまたはチモロール治療群にランダムに割り当て、ウォッシュアウト期間なしで治療を施した。臨床検査は4か月ごとに2年間行われた。 MDスロープを主要エンドポイントとして指定しました。
結果:
最終的に、56眼(ブリモニジン:チモロール= 26:30)が本研究に含まれた(平均年齢= 65.2 y)。ブリモニジンおよびチモロール治療群の脱落率は、それぞれ27.8%および6.3%であった。ブリモニジン群とチモロール群の間で、ベースラインの眼圧またはMD勾配に有意差はなかった(それぞれ12.7および12.9 mm Hg、P = 0.77、および–1.22および–1.08 dB / y、P = 0.43)。眼圧は、4、8、12、および16ヵ月でブリモニジン群、および4ヵ月でチモロール群で有意に減少し、薬物間に有意差はなかった(P = 0.20)。 MDの傾きは両方のグループで大幅に改善された(ブリモニジン:-0.38 dB / y、P <0.001;チモロール:-0.52 dB / y、P = 0.04)。さらに、主要エンドポイントのグループ間に有意差はなかった(P = 0.59)。

結論: ブリモニジンおよびチモロール治療は、開放隅角緑内障のMD勾配を改善した。

追記テイクホームメッセージ:視機能維持が大切。眼圧非依存因子が大切なのだが、ブリモニジンにはその神経保護効果があるといえる。

Categorised in: 緑内障