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2019年5月15日

10723:SSOH:上方視神経低形成とは:

SSOH, 上方視神経低形成とは:superior segmental optic nerve hypoplasia

神経眼科医清澤のコメント:ゴールドマン視野計で視野を測定すると下方からマリオット盲点に差し込むの様な視野を呈する患者がいます。眼科医で有ればご存知の通りこれは緑内障ではなくて、SSOHと呼ばれる病態です。(ご覧の様にGPの方がHVFよりよく解ります)

この疾患については10年ほど前にこのブログの「376 トップレス乳頭症候群 topless disc syndrome, 上方視神経部分低形 SSOH 上方乳頭低形成」(https://www.kiyosawa.or.jp/uncategorized/36026.html)で、私も解説をしました。

その記事を書いた時には新潟大学の高木先生が書かれたしっかりとしたブログがまとめられていました。それによれば、Kim RY(1989)らによりいくぶん極端な類型化がなされた影響を受けました。

その特徴として

1、   網膜動静脈入口部の上方偏位、

2、   乳頭上方のscleral halo、

3、   乳頭上方部の蒼白化、

4、   上方の網膜神経線維層欠損が特徴的であり、

5、   胎生期に母親が1型糖尿病を有している症例に起こる

と指摘され、長くそれに振り回されてきた歴史があるようでした。つまり母親に糖尿病の有るケースはむしろ少なかったのです。

その後、2009年5月の neurologyには 「神経画像の指導:光コヒーレンストモグラフィーにより確認された上部分節性視神経低形成」が出ています。Geetha Athappilly他、 DOI:https://doi.org/10.1212/WNL.0b013e3181a411f8

その論文の内容は症例提示です。上部分節性視神経低形成:

 訴えのない36歳の女性が異常な視野のために紹介された( 図1A )。彼女は両眼で20/20の視力を示し、右眼に求心性瞳孔欠損を認めた。 眼底検査では、先天性視神経障害である上部視神経低形成症(SSONH)が考えられた( 図1B )。 光干渉技術を用いて神経線維層の厚さを測定する視神経のOCT1は、両眼の神経の上方分画での厚さの減少を示した( 図2 )。 この場合、OCTは、下方の弓状視野欠損および視神経の外観によって疑われるSSONH(SSOH)の確認のための非侵襲的かつ信頼性のある方法を提供した。

図1患者の左右の眼のハンフリー視野

(A)右目(上)および左目(下)の視野は、上の分節性視神経低形成と一致する下の弓状欠陥を明らかにした。 (B)右目(上)および左目(下)の視神経写真は、上部分節性視神経形成不全の証拠を示した。

図2患者の左右の眼の視神経乳頭

右目(A)および左目(B)の患者の網膜神経線維層の光干渉断層撮影は、正規分布と比較して優れた細線化を明らかにした。 左右の眼の比較(C)は、左眼と比較して右眼においてより優れた神経線維層の菲薄化を示した。

とされています。 某講演会では岐阜大学の山本教授が30例ほどの症例で上記のような特徴を示しておられました。私もこの様な例をノートに記録してみたところ、やはり30余例を見ることが出来ました。近視が強い症例群ではマリオット盲点に繋がる暗点は、下からではなく耳側から入るようです。また日大の山崎先生は、低眼圧緑内障を伴うSSOHが有ることを報告しており、SSOHだからと安心してはいけません。

Categorised in: 緑内障