お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年11月20日

10283:中強度運動が緑内障の視野欠損進行遅延に関連する:論文紹介

 眼科医清澤のコメント;身体活動レベルと緑内障による視野(VF)欠損の関連を論じた最新の論文。運動が先か?、視野劣化が先か?という鶏卵論争の余地はありそう。

提供元:ケアネット 公開日:2018/11/13

 身体活動レベルと緑内障による視野(VF)欠損には関連があるのだろうか。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のMoon Jeong Lee氏らは、縦断研究において、1日の平均歩数、中等度以上の身体活動(MVPA ;moderate-to-vigorous physical activity)時間および非座位活動時間の増加が、緑内障患者のVF欠損の進行抑制と関連していることを明らかにした。毎日5,000歩または非座位活動を2.6時間行えば、緑内障におけるVF欠損の平均的な割合が10%減少するという。著者は、「今後、身体活動が緑内障のVF欠損を遅らせることができるか、またはVF欠損の進行が活動制限をもたらすかを、前向き研究で検討する必要がある。もし前者が確認されれば、身体活動は緑内障によるダメージを防ぐ新たなリスク因子として特徴付けられるだろう」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年10月10日号掲載の報告。

 研究グループは、緑内障における身体活動レベルとVF欠損の関連を調べる目的で、緑内障疑いまたは緑内障と診断された高齢者141例(平均年齢64.9±5.8歳)を対象として研究を行った。その間に、加速度センサーを1週間着用してもらい、1日の平均歩数、MVPA時間および非座位活動時間を測定した。また、身体活動評価前後における入手可能なすべてのVF測定値を後ろ向きに分析し、VF欠損の割合を評価した。主要評価項目は、身体活動測定値に関連するVF感度におけるPointwiseの変化であった。

 主な結果は以下のとおり。

・身体活動評価時におけるVF測定の結果、平均偏差(MD)は-6.6dB、1日の平均歩数は5,613±3,158歩であった。
・VF感度をPointwiseで測定した際、VF欠損の未調整の平均的な割合は0.36dB/年(95%信頼区間[CI]:-0.37~-0.35)であった。
・多変量解析の結果、歩数が多い(1日1,000歩で+0.007dB/年、p<0.001)、MVPA時間が多い(MVPA 1日10分以上で+0.003dB/年、p<0.001)、非座位活動時間が多い(非座位活動時間1日30分以上で+0.007dB/年、p=0.005)患者において、VF欠損が緩徐であることが観察された。
・VF欠損率の進行速度と関連する因子は、年齢(高齢)、非白色人種、緑内障手術、白内障手術、ベースライン時点のVF障害が軽度(MD>-6dB)に対して中等度VF障害(-6dB≧MD>-12dB)があることであった。
・他の期間(たとえば、活動評価1年、3年および5年以内)でも、ベースライン時に加速度センサーで測定した身体活動値とVF欠損の割合との間に、同様の関連が観察された。

(ケアネット)

原著論文はこちら

Lee MJ, et al. Ophthalmology. 2018 Oct 10. [Epub ahead of print]

Categorised in: 緑内障