お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年10月7日

10170:緑内障ステージの進展に伴うエリプソイドゾーンの変化:論文紹介

緑内障ステージの進展に伴うエリプソイドゾーンの変化

眼科医清澤のコメント:来週開催される臨床眼科学会の抄録を見ていたら、上記の演題が目に入りました。この論文を読むと、OCTで有れば、EZ域の反射強度くらいの詳細な話にしないと評価されないようです。エリプソイドゾーンは網膜視細胞層の内節と外節の境目。緑内障における視神経繊維脱落と、神経節細胞層の萎縮がさらに上流の視細胞層まで及んでいるということですね。
私たちも、先にMRIやPETで見た緑内障での視放線の萎縮や後頭葉の糖代謝変化を論じました(末尾脚注)。また、最近は黄斑部網膜厚と視力の相関も調べてみています。

Ha Ahnul、Kim Young Kook、Jeong Jin Wook、Park Ki Ho

https://doi.org/10.1016/j.ajo.2018.04.025

目的:正常眼と緑内障の異なる段階の眼との間の網膜光受容体エリプソイドゾーン(EZ)強度を比較する。

設計:回顧的な横断研究。

方法:この研究では、正常37例、前視野緑内障38例、軽度から中等度の緑内障39例(視野[VF]平均-7.7±2.0 dB)および重度の緑内障36例(VF MD:-17.8±3.2 dB )。被験者は、スペクトル領域光干渉断層撮影法(SD-OCT)によって中心窩を通って高解像度の水平および垂直ラインスキャンを受けた。画像処理ソフトウェアを用いて、外境界膜(ELM)およびEZに対応する第1および第2の超音波反射帯の強度を定量化した。画面間の輝度変動を考慮するために、ELM反射バンドに対するEZ反射バンドの比(EZ / ELM)としての相対的なEZ強度が決定された。

結果:重症の緑内障の眼における相対的EZ強度は、軽度から中等度の緑内障の眼(2.46±0.38対3.15±0.43、P <0.001)より有意に弱かった。また、前視野緑内障の眼よりも軽度から中等度緑内障で弱かった(3.15±0.43対3.86±0.44、P <.001)。しかし、前視野緑内障と正常眼との比較では、有意差は認められなかった(3.86±0.44対4.06±0.40、P = .751)。 視野欠損を有する75人の緑内障眼では、相対EZ強度とVF MD(視野ミーンデフェクト)との間に有意な相関があった(r = 0.83およびP <.001)。

結論:SD-OCTによると、軽度〜中等度および重度の緑内障段階において相対的なEZ強度減弱が起こる。これらの知見は、少なくとも暫定的に、緑内障の進行の過程で、光受容体の内側セグメントのミトコンドリア変化が起こることを示唆している。緑内障におけるにおけるEZ強度低下の潜在的な臨床的意義を評価するために、さらなる調査が必要である。 追記:①Murai H1, Suzuki Y, Kiyosawa M, et al: Jpn J Ophthalmol. 201

Categorised in: 緑内障