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2018年10月4日

10160:小児緑内障とは

小児緑内障とは:

眼科医清澤のコメント:以前小児緑内障の診断と治療を簡潔に説明しようとしたのですが、きれいにまとめることができませんでした。今回発行された緑内障診療ガイドラインのポイント(杉山和久先生)はそこをうまくサマライズしておいでですので抜粋採録することとします

表1: 緑内障の分類の内少に緑内障部分の抜粋
小児緑内障
1、 原発小児緑内障
①  原発先天緑内障 (強度の隅角形成異常による誕生直後または生後早期からの高眼圧で牛眼など眼球拡大を生じる原発小児緑内障)
② 弱年開放隅角緑内障 (軽度の隅角形成異常のため眼球拡大を来さず発症の遅れる原発小児緑内障)
2、 属発小児緑内障
① 先天眼形成異常に関連した緑内障
② 先天性全身疾患に関連した緑内障
③ 後天要因による続発緑内障  *ぶどう膜炎、外傷、 副腎度質ステロイド、腫瘍、未熟児網膜症など
④ 白内障術後の緑内症

表2: 小児緑内障の診断基準
World Glaucoma Associatbn (WGA)に おける小児緑内障の診断基準

緑内障の診断基準(2項目以上)

・眼圧が21mmHgより高い (全身麻酔下であればあらゆる眼圧測定方法で)
・陥凹乳頭径比(cup to disc rato: CD比)増大の進行、C/D比の左右非対称の増大、リムの非薄化
・角膜所見: Haab線または新生児では角膜径1lmm以上、1歳未満では12mm以上、すべての年齢で13mm以上
・眼軸長の正常発達を超えた伸長による近視の進行、近視化
・緑内障性視神経乳頭と 再現性のある視野欠損を有し、視野欠損の原因となる他の異常がない

緑内障疑いの診断基準 (1項目以上)
・2回以上の眼圧測定で眼圧が21mmHgより大きい
・C/D比増大などの緑内障を疑わせる視神経乳頭所見がある
・緑内障による視野障害か疑われる
・角膜径の拡大、眼軸長の伸長がある

表3: 緑内障の病型別治療の内、小児緑内障の部分を抜き出す

◎小児緑内障

1、原発先天緑内障

①原発先天緑内障:(強度の隅角形成異常による誕生直後または生後早期からの高眼圧で牛眼など眼球拡大を生じる原発小児緑内障)
・ 第一選択は手術治療である【lB】
・薬物治療は周術期ないし手術治療後の補助手段として行われる【lB】
・プロスタグランジン関連薬の小児での効果は成人に比し弱い。また交感神経α2受容体刺激薬は、特に2歳未満には精神神経症状の出現のため禁忌である【lB】

②若年開放隅角緑内障
・原則的に原発開放隅角緑内障の治療に準ずるが、隅角形成異常や著しい高眼圧など原発先天緑内障と重なる部分も大きいため、その点も考慮に入れて治療にあたることが必要である
・薬物治療のほうが手術治療に比べて進行する割合が多い
・ブロ スタグランジン関連薬と交感神経β受容体遮断薬では差がないという報告がある

2、続発小児緑内障
〇以下代表的な疾患
・Axenfeld-Reeger異常:治療は原発先天緑内障に準じる
・Peters異常 :治療は原発先天緑内障に準じる。ただし1/3の術例しか良好な術後眼圧は得られない
・無虹彩症 :治療は原発先天緑内障に準じる。羞明・眼精疲労の軽減のために、遮光眼鏡や軟膏の使用、整容的コンタクトレンズの処方も考慮する
・ Sturge-Weber症候群 :先天性や乳幼児期発症であれば線維柱帯切開術や隅角切開術を選択する。年長者では上強膜静脈圧が上昇しているので、薬物治療が第一選択となる。薬物治療や流出路再建術が奏効しない場合、線維柱帯切除術やプレートのあるチューブシャント手術を考慮する
・白内障術後緑内障 :治療は原発先天緑内障に準じる。ただし、手術成績が不良であるため、 最終的にはプレートのあるチューブシャ ント手術が必要になることがある。 開塞隅角の場合、瞳孔ブロックの解除が必要になることもある

Categorised in: 小児の眼科疾患, 緑内障