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2018年9月23日

10129:「緑内障診療ガイドライン改定のポイント」紹介

「緑内障診療ガイドライン改定のポイント」(監修 杉山和久先生)を千寿製薬が制作し、それが当医院にも届けられました。私のブログでもいくつかこれに関連した記事を上梓しておりますが、緑内障診療にあったってはこれらの改変点の各項目について最新の知識を持って診療を行うことが必要と感じています。その最初に示された7つの要点を書き出し、各項目に関する私の印象を追記してみました。素人ながら、緑内障は視神経症の一分野としてずっと神経眼科医としての興味を持っています。(末尾*)

 緑内障診療ガイドライン第4版:主な改変点と清澤の印象
1、 世界緑内障会議(WGA)のコンセンサスミーティングの逓減をお踏まえて、従来の発達緑内障に代えて、小児緑内障の分類と診断基準を新たに設けた。
◎清澤の印象:そもそも原発と続発を分けるが、原発小児緑内障を原発小児緑内障(隅角形成異常)と若年開放隅角緑内障(成人と同じもの)を分けている。小児緑内障の診断基準と疑いの基準が有る、それに留意した診療をしたい。

2、 新しい点眼薬(Rhoキナーゼ、配合点眼薬)を追加した。
◎清澤の印象:α2刺激薬(ブリモニジン酒石酸塩)、ROCK阻害薬(リバスジル塩酸塩)、配合点眼液などに新規掲載薬剤があり、その特性を理解して臨床に取り込んでゆく必要がありそう。当院がそれら薬剤の開発治験にも関与できているのは光栄の至りと思っています。

3、 選択的レーザー線維柱帯形成術やMIGS(緑内障に対する最小限の侵襲で行う手術)、新しいインプラント手術などを追記した。
◎清澤の印象:海外ではMIGSが臨床応用されつつあると記載していますが、紹介先の複数の大学などでも最近はその施行が多い印象です。最近手術例は少ない印象であるが、どの症例を手術必要とするかを注意する必要がありそう。

4、 Preperimetric glaucomaの訳語として「前視野緑内障」の名称を追記した。
◎清澤の印象:実際にもこの区分の患者は多いですね。東北大中澤徹教授の同名の著書もあります。

5、 原発閉塞緑内障における水晶体摘出術の意義と注意点をフローチャートと本文に追記した。
◎清澤の印象:レーザー虹彩切開や水晶体摘出が基本的療法と明記されていて、殊に片眼に発作のあった例ではそれが必要としている。

6、 緑内障の病型別治療については、代表的な病型に関して、従来よりも具体的な記述を加えた。
◎清澤の印象:レーザー線維柱体形成術は薬物効果不十分と低アドヒアレンスを対象という(2B)が、実際にどの程度の適応があるのか見極めてゆきたい。私としては、観血的手術は必要に応じて今後も専門機関に紹介で対応することになるだろう。画一的な診療を戒めているが、眼圧コントロールが得られても1から数か月一度の眼圧と眼底観察、年に少なくとも1-2回の視野測定を推奨しているのには納得できる。

7、 眼底三次元画像解析装置、特に光干渉断層計を用いた緑内障診断の意義に関する記載を加えた。
◎:眼底所見を量的に記録できるとしている。

全体の記載で:エビデンスの評価は1、(強く推奨する)と、2、(弱く推奨する)を表記し、
エビデンスの強さで、A=強、B=中、C=弱、D=とても弱い、を分けています。

*:①Jpn J Ophthalmol. 2013;57:257-62. . Positive correlation between the degree of visual field defect and optic radiation damage in glaucoma patients. Murai H, Suzuki Y, Kiyosawa M, et al.

②Clin Exp Ophthalmol. 2015;43:711-9. Cerebral glucose metabolism in the striate cortex positively correlates with fractional anisotropy values of the optic radiation in patients with glaucoma. Murai H, Suzuki Y, Kiyosawa M1, et al.

Categorised in: 緑内障