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2018年6月24日

9962:「緑内障診療アップデート」 中澤徹教授 聴講印象記

「緑内障診療アップデート」中澤徹教授 (東北大)

10回TNDU眼科フォーラム 特別講演3

(清澤のコメント追記:前回記載したこの記事には多くのミスタイプ等がありました。演者の中澤徹教授に見ていただきましたので、ミス部分を修正して再送いたします。2018年7月2日)

 

清澤のコメント:中澤徹先生は東北大の玉井門下の優れた後輩ではありますが、医科歯科大学に移った私とはすれ違いで、同じ時期の医局には居ませんでした。私が知っている布施先生や志村先生の教え子世代かと思います。今回も新しい試みをいろいろ聞かせてくださいました。私も新しい論文の御発表があるたびにネットで読ませていただいています。(9131:抗酸化力と緑内障重症度との関係を解明:記事紹介です:など)

最近は、抗酸化作用の話に力を入れている様です。東北大学は中澤徹先生の緑内障グループだけではなく、網膜などの研究班なども健在だそうです。

 

Ⅰ、緑内障日常診療について ①眼圧管理、②視野異常の発見が言われる。

視機能維持が大切で、進行して中心視野障害を生じる患者を早期に見極め、それを患者に勧告することが大切だという。

SDスロープで1/年以上を早いとし、0.5から1.0を中くらいとし、0.5未満を良いものとする。

正常眼圧緑内障も多いが、進行のリスクファクターには虚血、炎症、酸化ストレス、眼圧など多くの要素がある。

緑内障の眼圧非依存性因子には様々な因子が含まれている。メタ解析ではOAGなら、高齢、末期の緑内障、高眼圧、落屑。NTGでは乳頭出血、脳梗塞の既往などである。(Ophthalmology. 2013;120:512-519. An evidence-based review of prognostic factors for glaucomatous visual field progression. Ernest PJ 他)

緑内障進行には眼循環も大切な要素である。

 

PPG(前視野緑内障):における乳頭組織の血流:PPGでは視神経乳頭内の血流が低下している。:年齢、眼圧、眼潅流圧は関与が薄く血流のみが関連していた。

 

従って、PPGでは血流を測る意味がある。

1、眼局所因子

2、全身因子 流量の低下(不整脈、心不全)と質の低下(貧血、COPD、睡眠時無呼吸など)

  1. いくつもの研究があるが、拡張期潅流圧が50mmHgを境にPOAGの有病率が増加する。

    ◎高血圧の過剰治療が良くない(血圧降下剤の内服はオッズを2.53倍に増す。)

    ◎夜間の低血圧もよくない。メタ解析で10%夜間血圧の低下(ナイトディップ)がオッズを3.32倍にする。

    ◎緑内障は夜の病気である。

    ◎血流変動と中心視野の進行が関連。視神経耳側の血流低下が悪い。

小括:進行や中心視野欠損をきたすのは眼循環障害を伴う緑内障である。110/分の頻脈で30分くらいの有酸素運動である散歩が良い。

 

2、酸化ストレスとは:老化の研究者は酸化ストレスを重視する。酸化されやすい脂肪が悪循環を起こす。

測定すべきもの①皮膚AGE(長期酸化ストレスを反映)、②δ-OHdG,尿(DNAが壊れてグアニン塩基を出し、これが尿へ排出される。)、③dROM(血液)、④BAP

東北大眼科では2016年から臨床論文が出せるようになった。

◎毛細血管障害が大事。尿中δ-OHdGに関連する。視野のMDと乳頭組織血流を下げる。(血管のぺリサイトにアストロサイトの足が付いた図:neuro-glia-vascular interactionsがキーワード)

高い酸化ストレス+不十分な抗酸化力が毛細血管の機能低下を起こす。

BAPバップ:全身の抗酸化力が低い65歳以下の男性で、酸化ストレスが緑内障を重症化させる。

Age- and sex-dependency of the association between systemic antioxidant potential and glaucomatous damage 2017 Scientific Reports 7(1) Asano Y.

 

◎睡眠時無呼吸症候群の患者は全身酸化ストレスを増し、緑内障を悪化させる。

◎全身状態を把握するパラメータが大切。(宣伝;東北大では、全身の異常体質を外来で診療するので、ご利用くださいと)

 

Ⅱ、アイファガンへの期待

ブリモニジンはその神経保護作用から視野保持に期待が持てる。緑内障の視野保持薬には4つの条件がある。ブリモニジンとチモプトールで0.5dB/年以上の進行のある両群を比較研究した。24か月の後、乳頭出血はブリモニジンで少なかった。

 

追加と質疑応答

たばこは血流を極端に下げるから視機能に低下を起こして良くない。

1キロを4分で歩く程度の有酸素運動30分などがよくて、緑内障にスポーツで過度な運動をすると無酸素運動だから、良くない。

 

 

Categorised in: 緑内障