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2018年3月3日

9655:全日本緑内障道場 広島大学 木内良明 教授 聴講印象記

 

2回 Ochanomizu Crossover Conference 日時:201831日 木曜日 会場:東京ドームホテル

特別講演Ⅱ

全日本緑内障道場 広島大学 木内良明 教授 聴講印象記

 

演者 広島大学大学院医歯科薬保健学研究科 視覚病態学 木内良明 教授

 

演題は「全日本緑内障道場」。

 

本日のテーマ

1)緑内障治療を始めるとき

2)点眼治療で眼圧が低い時の緑内障手術

3)緑内障点眼薬の第一選択薬は

4)第二選択薬は

5)レクトミー後の眼圧再上昇はどうすべきか

 

清澤のコメント:講演を引き受けてから6か月で話す内容が大きく変わったということでした。それだけに生きた知識が多く面白い講演でした。最後に座長の井上賢治先生が的確に内容をまとめて再紹介されたのが印象的でした。

――――

 

1)緑内障治療を始めるとき

PPG前視野緑内障に対しては治療派、無治療派に分かれる。

中澤教授の本は両論併記。最新のガイドラインの紹介。

・良好なアドヒアランスを保ち、とにかくフォローする。

Jeong JH(ソウル大):点眼治療しても6.8年間に57.7%が進行を示した

3年の間に77人のPPGのうち10人が緑内障進行した。眼圧15以上、乳頭出血、60歳以下が治療開始の対象。(60歳の以下区切りには、木内先生は不賛成。)

 

2)点眼治療で眼圧が低い時の緑内障手術

現在、両眼、眼圧15前後ですが、NFLDが拡大します。どうすればよいか。

緑内障手術は?

するかしないかは患者さんと相談すべき。

◎点眼治療で眼圧が低い時の緑内障手術を3分類した

1415~2021

 

MDスロープはどうなったか。術前は進行が早いが、レクトミーを実施すると進行速度は遅くなる。元々眼圧が高い患者は、眼圧が低い群と比較すると、スロープ進行が少し早い。

NTGに対してレクトミーを実施して、眼圧は下がるのか?

→きっちり10前後で眼圧がコントロールできている。

 

・薬を
使うとどうか。高い確率で眼圧コントロールできる。眼圧下降20%までは行くが、眼圧下降30%は難しい。

・レクトミーでNTG20%下げるのは難しくない。

・手術すると、視野障害の進行が9割は止まる。と言われている。

・術前より20%以上下降すれば、視野障害は安定する。

・レクトミーをやると、視野障害が止まるだけでなく、網膜の感度も良くなる。というデータもある。

 

オペと点眼での眼圧コントロールはクオリティが異なる。点眼は点眼忘れがある為、眼圧変動が残る。したがって、アドヒアランスが悪い人は、それもオペ選択の根拠の一つとなる。

 

診断が今以上に大切!というお話:

レクトミー後の眼圧:右眼9、左13

その後、夜、自転車に乗るのが難しいとの訴え。

ERG 振幅低下(⇒色素変性症)

MDスロープだけを見ていルと網膜疾患を見落としかねない。

視野と眼底所見が一致するか?

 

3)緑内障点眼薬の第一選択薬

眼圧が良く下がる、副作用が少ないものが良い。

キサラタンかタプロスを最初から処方するDr.が全国的に多い印象。ルミガンは少ない。

 

メタアナリシスを紹介。

ルミガンとキサラタン、ルミガンが良く下がる

2016年メタアナリシス。一番よく効くのは、ルミガン。キサラタンとトラバタンズは大体同じ。タフルプロストは負けている。

ルミガンとの差は?:キサラタ0.77、トラバタンズ 0.78、タプロス1.24

 

ピークはルミガンが最も下がっている。

トラフを診ると、ルミガンが最も悪い。

 

キサラタン効果不十分例に対してルミガンに切り替えた時の眼圧下降効果と安全性の検討。

→全観察日で1mmHg以上低下している。最初の症例登録の時に高めのものを選ぶというバイアスがかかっているから。

製薬会社の持ってくる和文雑誌の別冊にだまされてはいけない。

ルミガンは瞼が固くなり、眼圧も測りにくいし、オペもし難くなる。

 

術前に使っているPG剤がレクトミーの成績に与える影響について。

ルミガンを使っているグループは最も悪かった。

 

デューズDUESがある人とない人と比べるとデューズのない人で手術成績は良く、あると悪くなる。

 

4)第二選択薬はどうか。

PG製剤にβブロッカー、アイファガン、CAIを追加したときの眼圧下降効果と副作用

PGに組み合わせると3剤とも同程度にきく。

副作用も→綺麗に追加される。

チモプトールとアイファガンの眼圧下降効果は同程度。

 

末期緑内障でキサラタンやコソプトを両眼に点眼中でぜんそくが有る場合がある。

ことに合剤になるとβブロッカーが入っていることを忘れてしまう傾向がある。

 

ぜんそくは以前あった人でも禁忌!!身体は覚えてしまっている…。

(清澤注:ウサギの実験でウサギの毛に感作されているというお話、私も同様です。)

 

グラナテック単剤で3.7下がる。

他の薬と併用すると効きが悪くなる。3剤目だと眼圧下降効果半分以下になる。

点眼薬が増えれば増えるほど、レクトミーの成績も悪くなる。

 

2剤目に関して

何でも効果は同じ。

副作用と相談しながら処方する。

 

緑内障治療薬はせいぜい3剤まで。それ以上やっても無駄で、薬屋が喜ぶだけ。

 

5)レクトミー後の眼圧再上昇には?

まずニードリング実施する。

ここで薬剤を追加使用すると、良くない。

 

グラナテック追加することで、稀有膜の収縮が止まるが、術後グラナテック投与をしてみたが、なかなか有意差つかなかった。オペの2回目3回目の患者さんにグラナテック追加すれば、話は変わってくる可能性はある。

 

繊維柱体切除術後で、ニードリング後であれば、グラナテックは有効かもしれない。関東中央病院の新家先生も効果があったと言っている。

 

質疑応答

 

天野先生

Q. βブロッカーの禁忌。鬱の人に対してはどうか。結構鬱の人が多いが、木内先生は御経験があるか。

 

A. 抗コリン薬使っている人が多いから、危ない。鬱に対しても悪い影響はあるかと思う。デプレッションにも気を付けましょうと論文にも記載はある。しかし自分での経験はない。鬱病にベータブロッカーを投与していて患者さんが飛び降りた経験をしているという話はきいた。

 

座長の質問 井上賢治先生

Q. PPGの治療。どういった薬剤を使用しているか。どう説明しているか?

 

A. 神経がどんどん死んでしまっては困るよと説明。一般的な緑内障と紹介している。本当に進行するかどうかは読めないので、患者さんと相談する。NTGでも5年ぐらい進行しない患者さんが2割ぐらいいる。患者さんと相談する。木内先生はタプロス処方が多い。キサラタンでは後発品が多いので、タプロスにしている。副作用が出ると点眼をやめようと患者さんは思うので、副作用が少ない患者さんが良い。ミケルナも最近するようになった。

Categorised in: 緑内障