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2017年7月23日

9043:閉塞隅角緑内障-複雑なメカニズムに対するよりシンプルな答:だそうです。

閉塞隅角緑内障-複雑なメカニズムに対するよりシンプルな答:だそうです。

眼科医清澤の感想:先日、他院ですでに光彩切開がなされていた眼なのに、散瞳時に緑内障発作を起こした症例に出会って驚きました。それはこのプラトー虹彩症候群だったのかと考えてみました。

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千寿製薬の医師向けの情報ページを開いてみましたら、注目文献サマリーという項目があって、その第1回はAngle-Closure Glaucoma-Simpler Answers to Complex Mechanisms: LXVI Edward Jackson Memorial Lecture=閉塞隅角緑内障-複雑なメカニズムに対するよりシンプルな答え。第66回Edward Jackson記念講演というHarry A. Quigley先生の(Quigley HA. Am J Ophthalmol 2009;148:657-69.)論文が取り上げられていました。

Quigley先生は緑内障で視野欠損が始まるときにはすでに50%以上の視神経線維が失われていることを示した人として記憶されています。この翻訳の監修は岐阜大学の山本哲也先生。
(その内容はhttp://eyesquare.jp/document/report/images/pdf/summary01.pdf
でも見ることができます。)

その内容を順に拾ってみますと:

○ACGと患者特性:世界中で1,600万人が罹患、400万人が両眼失明に至る疾患で、小眼球、短眼軸長、浅前房、加齢などが危険因子となり、男性より女性に発症しやすい。

○ACG:眼内の動的形態変化の観察による新しい情報

○虹彩前後面間の圧差と閉塞隅角:狭く長い虹彩・水晶体チャンネルでは、前房内圧と比較して、虹彩後面の眼圧は1-8mmHg高く、圧平眼圧計での計測値が示すよりも視神経乳頭部に大きな負荷を引き起こしている可能性がある。

○閉塞隅角緑内障の病態:散瞳時における虹彩容積の変化:散瞳時には細胞外液の減少により虹彩容積および面積は減少し、この変化は非常に急速で、暗所への移行後10秒未満で減少がピークに達する。

○ACGにおける瞳孔ブロック以外の要因:プラトー虹彩:ACGに対する虹彩切開術により、虹彩・水晶体チャンネルの抵抗が低減するが、術後眼の1/3は狭隅角のまま。このような症例はプラトー虹彩症候群と呼ばれ、高眼圧に瞳孔ブロック以外の要因が関与している。散瞳時の虹彩容積減少が不十分であるという仮説がある。

○ACGにおける脈絡膜容積の増大:ACGの成因を脈絡膜の容積増大とするエビデンスが増えている。脈絡膜の膨張は眼圧を即時に上昇させる。脈絡膜の膨張は閉塞隅角をもたらす一因となる可能性がある。
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○悪性緑内障の発症機序:脈絡膜容積の増大が直接硝子体を介して虹彩、水晶体を角膜方向へ移動させ、眼圧上昇を引き起こすと考える方が妥当であると考えられる。
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Categorised in: 緑内障