その目の変化、「老眼」ではなく「認知症の第一歩」かもしれない理由
清澤のコメント:3月ですから少し前の記事ですが、白内障、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症と主だったところを簡便にまとめてありましたので紹介させていただきます。先に本文では後半にあたる4疾病の解説部分からご覧ください。〈オリジナルサイトはこちら〉
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目の病気、まとめました
そこで、高齢になっても安全に暮らしていくために、気をつけるべき目の病気について知っておきましょう。
・白内障
目の中でレンズの役目をしている水晶体が、年齢とともに白く濁ることで起きる病気です。通常、水晶体は透明ですが、白く濁ると光が目の奥(眼底)に届かなくなり、視力が低下します。白内障の代表的な症状には、視界全体がかすむ、ぼやけて見える、光がまぶしい、視力の低下などがあります。投薬により進行を遅らせたり、手術による改善が可能です。
・緑内障
中高年に起こりやすい病気の1つ。目の硬さである眼圧が高くなることにより、視神経に障害が起こり、視野が徐々にせまくなっていきます。症状の進行は非常にゆっくりで、自覚症状がでる頃にはかなり進行していることが多く、いったん欠けた視野は回復させることができません。投薬や手術で進行を抑えることができますが、治療が遅れると失明する恐れがあります。
・加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
ものを見るときに重要な役割をする目の中の「黄斑」という組織が加齢により障害を受けることにより、視力の低下を引き起こす病気です。人間の目の中には、入ってきた光を刺激として受け取る、カメラのフィルムにあたる働きをする網膜という組織があります。網膜は、この刺激を信号として視神経を通し脳に送りますが、この網膜の中心となる部分が黄斑です。加齢黄斑変性の治療のイメージ図 Illustration by Getty Images
網膜の中心にダメージを受けることから、この病気になると「見たいもの」が見えなくなります。主な症状は、中心部にあるものがゆがんで見える、中心が見えない、特に中心部がぼやけて見えるといったもの。進行すると失明の可能性があるので注意が必要ですが、早期に治療すれば視界にほとんど影響がでない場合もあります。
・糖尿病網膜症
糖尿病は高齢者に多い病気ですが、その三大合併症の1つとされるのが糖尿病網膜症です。血糖値の高い状態が長く続くことで、網膜に密集する毛細血管が詰まったり、傷ついたりすることにより視力が低下します。初期の段階では自覚症状がなく、中期になると目がかすむなどの症状があらわれます。糖尿病歴が長い人ほど発症リスクが高く、国内での中途失明原因となる代表的な病気ですが、定期検診と早期の治療で進行を遅らせることができます。
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「なんだか最近文字がよみづらい……」とお悩みのあなた。その症状、もしかしたら老眼ではないかもしれません。
「老眼だろう」と放置することのリスクや、予想される病気についてまとめました。〈オリジナルサイトはこちら〉
その症状、老眼とは限らないかも
高齢になると、誰にでも加齢による心身の変化があらわれます。視力の衰えもその1つで、個人差はありますが年とともに誰にでも起こる目の老化が老眼です。
老眼は、目の中でカメラのレンズにあたる働きをする水晶体の弾力性が老化によって弱まり、ピントの調節機能が低下することで、近くのものが見えづらくなる症状をいいます。また、老眼は病気ではなく、加齢にともなう自然な生理現象です。老眼だと文字が読みづらい…… Photo by iStock
しかしながら、加齢によって起こる目の変化は老眼だけではありません。深刻な症状を引き起こす目の病気がいくつもあります。
中高年を過ぎてから目の見え方に変化があったときに「年だから老眼だろう」と放置するのは危険です。とくに、遠くも見えにくい、見がかすむなどの症状があれば、失明につながる病気の可能性も考えられます。
また、老眼であっても、メガネをかけなくても見えるからと放置したり、自己流で老眼を回復させようとすると、かえって症状を進行させてしまう場合もあります。
目が悪いと、認知症になりやすい
目が見えにくくなると仕事や家事など日常生活に支障が出ますし、物にぶつかったり転倒するなどケガの危険性が増します。歳をとっても安全にいきいきと暮らしていくためには、目の健康を守ることが大切です。Photo by iStock
くわえて、目がよく見えている人よりも、そうでない人の方が認知症になりやすいというデータもあります。
人間の脳に入ってくる情報のうち8割以上が視覚を通したものであることから、目がよく見えていないと受け取る情報量が少なくなり、脳への刺激が減ってしまうのです。
また、目が良くないために転倒事故などを恐れて引きこもりがちの生活を続けていても、認知症になりやすくなります。引きこもりがちだと、認知症になりやすい Photo by iStock
こうしたことから、目の病気は老後の安全な生活を脅かすだけでなく、認知症をも引き起こす原因といえます。
しかし逆にいえば、目の病気の予防は認知症の予防にもなるということです。
早期発見、早期治療を
加齢にともない注意したい目の病気を4つご紹介しましたが、このうち白内障をのぞいては、失明の可能性がある病気です。
視力を失うことは生活の質に大きく関わりますし、周囲の家族にとっても負担となるので、認知症とともにぜひとも予防したいですね。たとえ発症しても、いずれの病気も早期に発見し治療を始めれば、日常生活に大きな支障がでない場合がほとんどです。目に違和感を抱いたら、早めの検査を Photo by iStock
また、老眼については、手術をする以外に回復させることはできませんが、メガネやコンタクトレンズで矯正して見え方を改善することができます。老眼も徐々に進行しますが、そのつど矯正していけば進行を遅らせることができ、生活の質も保てます。
目の病気の予防と早期発見のためにも、眼科での定期的な検診と治療を心掛けましょう。適切に老眼の治療をして目の健康をキープしていくことが大切です。
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