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2017年4月23日

8788: 視力悪いと認知症になる?:記事の紹介

無題
視力悪いと認知症になる?“眼”との正しい付き合い方 (更新 2016/4/ 5 07:00)

眼科医清澤のコメント:やや古い朝日の記事ですが、ふと目に入ったので要点を採録します。私は『視力が悪いと認知症になる?』とまでシンプルには考えてはいませんが、脳の障害部位によって同時視の障害などの高次視機能に障害を持つ認知症(アルツハイマー病)患者が居る事を確認したことがありました。((Ophthalmology. 1989 96:1077-85; Alzheimer’s disease with prominent visual symptoms. Clinical and metabolic evaluation. Kiyosawa M, Bosley TM,他 ⇒https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2788851)

illust_02脳血管性認知症でも時に同様の症状が見られます。また、最近ではレビー小体認知症が幻視を伴うことがよく指摘されています。

両眼の白内障で極端に視力の悪い患者さんの白内障手術をすることで、大脳視覚領の局所糖代謝が改善するかどうかを確かめようと北里大の清水公也教授と考えたことがありました。しかし、結果が出るほどの数を集めることが出来ませんでした。

その時に感じたのは両眼視力が極度に悪くなるまで手術を待つ人はまれ。そして、両眼の矯正視力がそれぞれ0.2程度まで下がっているという事は、急激な白内障進行を引き起こすように全身状態も極端に悪く、術前術後にそのような検査をしている余裕はない人が多い。あるいは、手術を嫌って手術をなかなか受けなかった結果、すでに超高齢になってしまっている場合もあるという事でした。

先日の眼科医会の会合でも、「超高齢者で手術を要する白内障や緑内障の治療をどうするか?」という話が話題に出ていました。高齢すぎて白内障手術を見合わせている患者さんも診ています。

ーー抜粋ーー
白内障手術に踏み切るのはハードルが高い。しかし、手術後の成績はよく、QOL(生活の質)とともに認知機能が改善されるのではと、研究が進んでいる。

高齢者の視力低下は、学習や理解、記憶といった認知機能に影響を及ぼすことが、臨床研究によって明らかになってきた。奈良県立医科大学は大規模疫学調査「藤原京アイスタディ」を行っている。

この調査は、65歳以上の男女に健康診断を実施し、「元気な高齢者の秘訣」を探る。視力などの眼科健診と、認知機能検査の結果を解析し、関連を調べた。眼科学教室教授緒方奈保子医師は、「視力のいい人のほうが明らかに認知機能は高く保たれていました。また検査を受けた人の中には、MMSEが認知症レベルまで下がっている人も約6%含まれていて、視力の悪い人はいい人の約2倍、認知症の発症リスクが高いこともわかりました」

「眼は重要な感覚器で、脳に送られる情報の80%以上は眼を通して入ってくるといわれています。視力が低下して眼からの情報が減れば、脳に送られる情報も減少する。見えにくい状態をそのままにしておけば、脳の働きはおのずと低下してしまいます」

○ 筑波大学では、白内障手術を受けた55~93歳の88人(認知症ではない人)を対象に、術前と手術2カ月後で「本人が感じる見えやすさ(アンケート方式)」や「認知機能(MMSE)」がどう変化したかを調べている。

その結果、術後はものが見えやすくなってQOLが向上しただけでなく、認知機能も明らかに改善した。ただし、調査対象者には「すでに認知症を発症している人」は含まれていない。

前出の緒方医師は「われわれの調査でも、認知症の発症後に白内障手術をしても認知機能は改善しないことがわかっています。認知症は進行性の病気なので、なってしまえば認知機能を元に戻すことは期待できません。発症前に手術し、視力の改善を図ることが大事です」

白内障による視力低下で生活に不便を感じていても、手術まで時間がかかったり、手術しないままだったりする人は少なくない。
--要点抄出終了---

Categorised in: 眼科検診