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2020年6月19日

12002:ヒアルロン酸ナトリウムのOTC化によるドライアイ診療の変化:座談会抄出

Frontiers in Dry Eyeという冊子が届けられました。その中にはヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン)のOTC化によるドライアイ診療の変化という座談会が掲載されています。(Frontiers in Dry Eye Vol.15 8-15)

ヒアレインのOTC(over the counter)化が進められており、今後ドライアイ診療は変化していく可能性がある。

ドライアイ概念の変遷:

堀裕一:ドライアイは涙液の問題なのか、角膜上皮の問題なのかが世界的にも、日本でも議論されてきた。ドライアイ研究会での定義も2度の改定を経て、2016年には「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ」「眼表面の障害をともなうことがある」とされた。診断基準も「BUT5秒以下かつ自覚症状(眼不快感、視機能異常)を有する」に改定された。そして確定例と疑い例の区別もなくなった。TFOTでは眼表面の層別診断で7パターンを分け、涙液減少型、水濡れ性低下型、涙液蒸発後進型に3分する。

山田昌和:2016年改定で角膜上皮障害という言葉がなくなった意義が大きい。

小室青:角膜上皮障害に重きを置かなくても自覚症状、BUTやブレークパターンで診断と治療はできる。

山田:基本的に重症度は自覚症状によるべきだ。OSDI(眼表面指数)やDEQS(ドライアイQIL質問票)も使える。

小川葉子:シェーグレン、慢性移植片対宿主病などによるドライアイは別分類だ。

ドライアイ診療の変遷:

  • ヒアルロン酸時代の診療:小川:1995年にヒアルロン酸Naが承認された、防腐剤無添加0.1%と0.3%(軽症中等症によい)が登場。高い保湿性と粘弾性、それに角膜上皮修復作用がある。BUT短縮型の概念⇒「Three different types of dry eye syndrome」。当時は角膜上皮障害を重視して、SPKの範囲と密度で評価し、BUTは軽視していた。
  • ジクアソホルナトリウム(ジクアス)、レバミピド(ムコスタ)の時代 小室:ジクアスは2010年、レバミピドは2011年。どちらもムチン分泌増加作用を有することが画期的だった。ジクアスによる涙液増加は30分続くが、その効果自覚には最低3か月はかかる。こうして涙点プラグの必要性が減った。ムコスタは摩擦関連症例に有効だ。ジクアスはコンタクトレンズ症例にも効く。ジクアスは乾燥感の自覚症状改善に効く。ヒアレインはランダムブレークを示す軽いドライアイによく効く。

未来のドライアイ診療:

ヒアルロン酸NaのスイッチOCTを見据えた未来。ヒアレインは容認性と安全性が高く、副作用の心配がない。角膜上皮と涙液層の安定効果もある。ヒアルロン酸Naは2-3時間にわたりBUTを延長させる。現在ヒアレインが最多で使われジクアスとムコスタが続く。

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