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2019年5月29日

10753:ドライアイ対策:涙小点へのコラーゲンプラグ注入の話をしてみよう

今日はコラーゲン涙点プラグ(キープティア)の話をしましょう。

涙は眼の表面を潤す働きを持っていますが、動物が水中から陸上に出て以来、眼の表面を適切に潤し続けることは大きな負担になっていました。
涙の不調は、涙の量が少ないこと、涙の成分が不安定であること、そして眼の表面が悪化して涙とのなじみが悪い事、などによって起きますが、それぞれに対する対応が違います。
 まずは点眼薬、水分の保有を助けるヒアレイン、涙を絞り出すジクアス、そして涙液を賛成する腺を増やすムコスタなどがあります。しかし、点眼薬が涙の不足(ドライアイ)を補う力は限定的です。まず点眼薬を処方して、それで満足できぬ場合に次は何を考えるか?ということになります。
 そもそも涙の大部分は眼の外上にある主涙腺という親指の頭くらいの大きさの分泌腺で分泌されます。それから眼球の表面を流れて、上下の涙小点まで行き、そこで涙小管に吸収され、そこからは鼻涙管という管に合流して鼻腔に落ちてゆきます。

 少ない涙で目を潤そうと考案されたのが涙点プラグです。
涙腺から分泌される涙の量が少ないのに、涙点から涙がどんどん鼻腔排出されれば、眼の表面は乾きます。そこで、涙の出口(涙点)に栓(プラグ)を置くことで目の表面に十分な涙が溜まって眼の渇きを抑えようとします。
 此の涙点プラグには今回お話する液体コラーゲンプラグのほかに固体のものも有ります。このコラーゲンは冷たい状態では液体であり、体温程度に温めるとゼリー状に固まります。このコラーゲンを注射器に付けた細い管で涙小管に注入して涙の鼻腔への排出を調節してドライアイを抑えます。

さて、ここで通常考えられるドライアイの治療法を纏めてみます
① 点眼薬治療:眼の潤いを保つ成分などを含む点眼薬を使う。ドライアイが軽症であり、これだけで満足できれば大変良い。
② 液体コラーゲンプラグ治療:涙点および涙小管に上記の特殊なコラーゲンを注入することで目の潤いを取り戻す。より長く効くこともあるが、通常期待する有効期間は2か月程度。空気の乾燥した期間などには有効。
③ 固体涙点プラグ治療:上下左右で4つある涙点にシリコンゴム製のプラグ(栓)を幾つか置く。比較的重度のドライアイが対象。世界に何種類かの製品が有る。
④ 手術治療:焼灼や縫合などの手術的な手技で涙点を閉じて、最重症のドライアイに依る角膜障害に対応する方法。やや大掛かり。

◎液体コラーゲンプラグに依る治療の実際
① 液体コラーゲンプラグ注入は一度の外来通院で出来る簡単で痛みもない方法です。
② 液体のコラーゲンが体温で緩く固まります。私はホットマスクで固まるのを促しています。
③ 治療に使う液体コラーゲンはアテロコラーゲンでアレルギー反応を起こしにくい抗原性が低いものを使用します。

◎治療の流れ
① 眼科検査をして適用を決め、手技や価格の説明をして同意を得る。
② 液体コラーゲンプラグの注入
③ 15分ほど固化を待つ
④ 終了(通常の洗顔などは可能です。):聞いた場合には直後に笑顔がみられます。
⑤ 数か月で自然に溶けて消失しますが、必ず再度の注入を要するわけではありません。

◎利点と注意点
① 違和感や副作用が少ないです
② 眼の表面の傷(瀰漫性表層角膜炎)を直すことに資すことが期待できます。
③ ゆっくり排出され、やがて元の状態に戻るでしょう。
④ コンタクトレンズとの併用も可能です

◎注意点
① 希だがコラーゲンへのアレルギーの可能性があります
② 涙の貯留が流涙と感じられることあります。
③ 持続期間に個人差があります。

などなどが標準的な説明事項です。

涙点プラグ2個分が1シリンジに入ってますので、状況によりますが、私はこれで4涙点を閉鎖し、両眼の涙点閉鎖として扱っています。

注:高研社が作成したキープティア注入方法を示した動画です。

Categorised in: ドライアイ