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2014年5月24日

5467 ドライアイ治療の座談会の記事がありました。その概要です

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困った眼の不定愁訴はこうして解決する:ドライアイの深察:

ネットサーフしていたら、ムコスタ座談会が出ていました。私が良く扱っている眼瞼痙攣でもマイボーム腺機能不全や結膜弛緩に関係した涙液層の不安定さや、涙液量の不足はよく遭遇します。ですから、角結膜染色試験とシルマーテストはそのような疑いのある患者さんには「若倉の眼瞼痙攣10項目質問表」に先立ち、真っ先に全例に行っています。

 しかし、この座談会の結論は患者が一番困っていることは何かを良く聞いてから各種のテストに取り掛かることであると話されていました。ごもっともです。

 ところで、私の提唱するムコスタ処方を加える時のコツは、初めて処方するときには「院内でいっぺん実際に点眼してみさせる事。」です。予め担当者を決めておいて、その事務職員から、1)点眼直後に視界が白く曇る。2)眼の回りに白い粉が残る、そして。3)苦味がでる。の3つを4)「医師が承知のうえで処方開始している」ことを説明させます。

 しかも、初回の処方は28日分(112本)は出さず、14日分(56本)だけにして、患者さんが実際に続けられたか?を2週間後で確認するようにします。そして付けられたと聞いたら一緒に喜びます。結構、「これは効いた」と言う患者さんが多いはずです。

 どんなに良い点眼薬でも、付け続けられなければ効きませんし、使えない目薬を100本も出したら患者さんにも嫌われます。この作戦、読者が眼科関係者なら、どうかお試しください。

1) ドライアイの自覚症状
1番困っている症状の聞き取りが大切

ドライアイの自覚症状は、目がゴロゴロする、乾く、痛いなどの「不快感」と、かすむ、まぶしいなどの「見えにくさ」の2つに大きく分けられる。

「自覚症状の解剖」
○ドライアイ症状を引き起こす向精神薬などの服薬歴やレーシック手術の既往歴
○甲状腺疾患などの内分泌疾患や糖尿病、降圧剤などの服薬歴に関しても
○パソコンやスマートフォンの使用時間や使用する時間帯、職業などの環境要因
○瞬目の頻度や瞬目の仕方を診る。
○「一番困っている症状が何か」を聞く
 いつ、どのような症状が強く出て、どういった症状に一番困っているのかを聞き取り、
目をとりまく外因性の環境要因がどの程度病態に関与しているのかを把握。

2、「涙液層の安定性低下」と「瞬目時の摩擦亢進」が引き起こす自覚症状

・ドライアイの自覚症状は「不快感」「見えにくさ」に大別される。
・自覚症状のメカニズムには「瞬目時の摩擦亢進」と「涙液層の安定性低下」が関与している。
・自覚症状と他覚所見のはっきりとした相関が認められない。

3)、他覚所見を捉える検査のコツ

結膜の観察がドライアイ診断のポイント

○生体染色検査や涙液層破壊時間(BUT)。角膜については角膜上皮障害。

○球結膜には結膜弛緩症と上輪部角結膜炎(SLK)が、眼臉縁にはマイボーム腺機能不全(MGD)が隠れている可能性。(Marx’s Lineや粘膜皮膚移行部の乱れ)

○生体染色をした状態で眼瞼を翻転し、Lid-Wiper Epitheliopathy(LWE)を。

○ドライアイはアレルギー性結膜炎などの合併も多い。瞼結膜の乳頭増殖を確認。

○結膜弛緩症の有無をみるときは「強制瞬目テスト」:強く瞬目させ下方の涙液メニスカスを観察。

4)、ドライアイ患者における結膜上皮の分化異常

○ドライアイとは「様々な要因による、涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり、眼不快感や視機能異常を伴う」病態と定義される。ドライアイの発症メカニズムには一般診療では捉えにくい角膜・結膜上皮の障害、つまり粘膜の異常が関与している。

○結膜のゴブレット細胞数が正常時より低下。膜型ムチンの発現が変化し、重症になるほどマイクロビライが減少する。扁平上皮化生は一種の防御作用なので、一般的には「こすれる」という刺激が原因となることが多い。

まとめ

・ドライアイでは結膜上皮の分化異常が生じている。

・ゴブレット細胞の消失、上皮細胞の扁平上皮化生などが生じている。

・結膜を正常に保つことは大切。

5)ムコスタ点眼液は角結膜上皮の正常化を促し摩擦を軽減して異物感や眼痛を改善

○ドライアイは、涙液の異常と角結膜上皮の異常がコアメカニズムとなっている。今後のドライアイ治療は涙液と角結膜上皮の両方をケアすることが大切。

○ムコスタ点眼液は、摩擦関連眼表面疾患(SLK、LWE、糸状角膜炎)に有効。
ムコスタ点眼液は杯細胞の増加とムチンの産生を促すことで、摩擦を軽減し、異物感や眼痛などのドライアイ症状を改善する。

○長期投与の有効性と安全性:眼の不快感(異物感・乾燥感・眼痛)や視機能異常(羞明・霧視)など自覚症状に大幅な改善が認められている。

○抗炎症作用にも期待。

6)「一番困っている症状」の改善がドライアイ治療のエンドポイント

ドライアイが疑われる患者さんが訴える目の不定愁訴に対して、どのような点に気をつけて「深察」、つまり一歩踏み込んで深く診察していったらよいのか、

○まず検査というのではなく、症状を丁寧に聞き、患者さんが「一番困っている症状は何か」ということを的確につかむことが最も大切。そして、患者さんが一番困っている症状を改善することが、治療のエンドポイントになると思います。

○ドライアイの場合、他覚所見と自覚症状が一致しないこともあるので、他覚所見をとる技術と同時に自覚症状をしっかりと捉えることが非常に大切になります。治療の効果判定においても自覚症状が改善されているかどうかが重要となるので、患者さんとのコミュニケーションが診断・治療の鍵を握る疾患ともいえます。

まとめ

・ドライアイ治療のゴールは患者が困っている自覚症状を改善すること。

・他覚所見がみられなくても、自覚症状の訴えを見逃さないことが大切。
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Categorised in: ドライアイ