お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2021年7月3日

12970:PRDM5関連脆性角膜症候群(brittle cornea syndrome)におけるブルッフ膜異常:論文紹介です

眼科医清澤のコメント:今日視聴したウイリズ眼科病院のチーフラウンドでは片眼の角膜に幅2ミリ上下幅6ミリ程度の隆起性で無痛性の白色混濁を急激に生じたという9歳児症例を論じていました。円錐角膜に似ていなくもないのですが、周りの角膜には角膜水腫(ハイドロープス)特有の浮腫は見られません。これがPRDMS5に関連したブリットル角膜症候群だそうです。そこで、この疾患を最も解りやすく解説した論文をさがして抄出して見ます。

下記論文のバックグラウンドでは:「脆性角膜症候群(BCS)は、主に角膜、皮膚および関節に影響を与える常染色体劣性結合組織障害である。極端な角膜薄化(220〜450 μm)(正常範囲520〜560μm)は、この状態の特徴であり、影響を受ける個体は角膜破裂の危険性が高く、不可逆的な失明につながる。その他の眼の特徴には、青色強膜、眼球角質症(ケラトグローブス)、強度近視が含まれる。眼外症状には、難聴、関節過屈曲、皮膚の弾性増加、くも膜障害、股関節の発達異形成が含まれる。BCSは、眼外特徴がない患者に記載されている眼破裂前の診断は、臨床的疑いの高い指標の存在下でのみ可能である」、という。

Bruch’s membrane abnormalities in PRDM5-related brittle cornea syndrome;

Orphanet Journal of Rare Diseases volume 10, Article number: 145 (2015) 

PRDM5関連脆性角膜症候群におけるブルッフ膜異常

希少疾患の孤児院ジャーナル volume10、 記事番号: 145 (2015)この記事を引用

要約

バックグラウンド

脆性角膜症候群(BCSbrittle cornea syndrome)は、極端な角膜菲薄化と高い角膜破裂のリスクに関連する稀な一般的結合組織障害である。転写因子ZNF469およびPRDM5における劣性突然変異はBCSを引き起こす。両方の転写因子は、細胞外マトリックス遺伝子、特に線維性コラーゲンを調節する共通経路に作用することが示唆されている。新しいPRDM5突然変異のキャリアである26歳の女性におけるBCSの提示特徴として、両側近視脈絡膜新生血管を同定した。眼におけるPRDM5の発現が記載されていないので、前眼部および後眼部の免疫組織化学を行った、またはPRDM5関連疾患の遺斑、特にブルッフの膜の細胞外マトリックス組成に及ぼす影響をみた。

メソッド

PRDM5に対する抗体を用いた免疫組織化学検査を、コラーゲンタイプI、III、およびIVを、2つの影響を受けないコントロールおよび2人の患者(いずれもΔ9-14 PRDM5)の目に対して行った。新規p.Glu134* PRDM5変異を有するBCS患者の皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン、インテグリン、テナシンおよびフィブロネクチンの発現を免疫蛍光を用いて評価した。

結果

PRDM5は角膜上皮およびレチナで発現する。PRDM5 Δ9-14突然変異を有する2人のBCS患者の目に、ブルッフの膜の主要成分の発現減少を観察した。p.Glu134*患者からの皮膚線維芽細胞に対して行われた免疫蛍光で、BCSにおける細胞外マトリックス異常の一般化された性質を確認できた。

結論

PDRM5関連疾患は、角膜、皮膚および関節に影響を及ぼすことは知られている。ここでは、PRDM5がヒト角膜だけでなく、広く発現していることを、初めて知り、それを実証した。我々の知見は、PRDM5関連疾患におけるECM異常が以前に報告されたよりも広く普及していることを示唆している。

Brittle cornea syndrome (BCS)

Categorised in: 角膜疾患