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2021年2月21日

12680:ビッグデータとAI時代の眼科診療:聴講記その2(2021.2.21)

清澤のコメント:今日は眼科AIの実際に近い話が多く聞けました。AIはあらかじめ指示されたバスケットに病気を分類するが、用意されてない設問には全く答えられない。少なくも日本では、診断に伴う責任はすべて担当医が負う。日本ではAI診療に使える眼科画像診断装置は普及しているが、臨床診療よりもむしろ健康診断的な利用が進められているもようです。眼科学会の指導的な先生方が、AI礼賛ばかりでなく健全な日本での眼科AI診療の発展を目指していることが良く分かりました。今日も朝9時から12時まで日本眼科医会の眼科のAI医療に関する講演の続きをを聞きました。聞き取り要旨は冗長になりましたので、興味のある方のみざっとご覧ください。

  ーーー聞き取り要旨ーーー

坂本泰二先生:初めに;

第一講義「前眼部におけるAIと眼科」山口剛司先生:

前眼部疾患の特徴は、眼表面で患者が多く重症化しやすいことだ。撮影もしやすいのでAIに適した分野だ。前眼部疾患は24%で、緑内障の倍であり、眼底疾患の総計より多い。白内障3200万、角膜600万である。感染症が多い。多治見スタディーでも久米島スタディーでも角膜と白内障は多かった。ヘルペスは20人/10万。視力低下を残す。中途半端に患者が多く、視力が落ちやすい、そして見た目勝負でもある。

  • 前眼部でのAIの応用:

100年前は細隙灯の登場をみた。最近は体系的に診察するようになり、コンピュータが出現した。今後の100年では、データサイエンスの発達を見る。前眼部と眼底の写真がデジタル化され、質の高いAI診断の実用化の時代だ。後輩がラインで写真を送ってくる。ウェブの問題があるが、煩わしいことも。角膜が白い例でのAI診断の例。眼科医にはAIを頼らずとも自分でもわかるよといわれるかも知らないが、コンピュータ解析で角膜形状が解るような技術もある。予後の予想も欲しい。そこが治療支援になるだろう。また、珍しい病気が混ざってくる。その場で助言が得られるのも利点。予想診断:シュナイダージストロフィーか?。ネットにつなげる。眼科雑誌の定期購読を止めて、ネットにするならば眼科医は月にいくらまでだせるか?眼科医の少ない国では?などは話題だ:スマホはどこにも結構ある。これを開発途上国で試し、AI診断をしようとする試みがある。予後予想までつけたい。現状の紹介:白内障はわかるが角膜はやや高度な分野だ。白内障では眼底写真で血管がはっきりしているかを判断する。前眼部写真では:ディフューザと散瞳の要否は?重症度?:開発途上国なら白内障の未受診患者をさばける。現在の4000人に対しこれだと4万人の対応が可能。角膜写真を見て左右が解るというアプリもある。

角膜疾患:は両極端。翼状片なども対象となる。鑑別をするAIはフックス、円錐角膜、正常等を分けている。感染性角膜炎などの8割を鑑別する。筑波大のプロジェクト:特許を優先しているので論文にされてないが。中国は画像6000枚、日本50枚程度の分析規模の差がある。AI特有の問題もある。危険もある。オーダーメードスーツ同様のまどろっこしさもある。白内障では良い結果で、角膜は疾患分類が9割は正しい。イノベーションははじめには変に見える。陸上短距離走のクラウチングスタートも最初のオリンピックでは奇妙に見えたものだ。

ビッグデータ:一般的な処理できないほど大きな規模の情報。医学におけるビッグデータは今の話題だ。レセプトもビッグデータで年に370億件。術後死亡率は医師の経験年数に依存する。当たり前だが、年に72億件のアレルギー性鼻炎は季節とともに北上する。バーチャル心筋細胞の研究を紹介。ゲノムコホートの研究。(喫煙と肺癌など)27万のデータで疾患関連遺伝子を明らかにする。ジーンクエスト社で300項目をチェックできる。オミックス解析:従来一つの分子の関連を考えたが、今やオープンシステムサイエンス化した。網羅的な解析をする。ビッグデータを探す。

角膜:角膜の屈折面を解析するデータベースを作り分析結果を英文論文化した。日本の国威が低下しているが、ARVOで角膜光学シミュレーションシンポジウムを行う。ゲノムコホート:遺伝子が見つかっている。多層オミックス解析:難治性水泡性角膜症は全房水が異常など。メタボローム解析でより良い診療のために。

  • 日本が今後の国際的な競争に勝ち抜くには、。

第二講義:田淵仁志先生:

  • 道具を知らないで使わせるのは危ない:人工知能も同様だろう

簡単すぎる人工知能:大量のデータを覚える。チェスなどすべてのゲームで機会が買ってしまった。

知識としてモナリザとムンクの叫びをAIに教えて分けさせよう。覚えたAIは何ができるか?そのダブルミーニング:AIは簡単すぎる機械だ。痩せている、腕が違う、色あせなどを誤る。ムンクの絵も原版が5種もある。:AIが絵の鑑定人の能力を持っているわけではない。

古いAIとあたらしいAI: ツカザキ病院オーナーのグローリー工業は札の真贋を見分ける機会を作る。古いAIは疑わしければはねるようになっていたが、今は正しいものをひろうようになってきた。モナリザにもムンクの叫びにも、多くのパロディーがある。今のAIはパロディーも拾う。しかし最初から画像のパロディーを見せると機械は戸惑う。

偽陽性の問題(テキスト3):くしゃくしゃな札が真札でOKだということはトレードオフだ。古いAIの技術はむしろ日本にある。

糖尿病網膜症:特殊演算で偽陽性を落として判定する。一流企業だと被検者の0.4%しか糖尿病はいない。だから東京だとX社の機械では、103人の陽性患者の内3人しかDMの患者は居ない。事前確率が大事で、母集団によって信用度は違う(コロナでのPCRの例を参照)。日本の都会ではこれでは役に立たない。

誤認率は?(テキスト4):画像識別コンテストでの過学習問題:AIの限界は感度特異度95%である。それよりも高い識別ができたならそれは別のヒントを参照した過学習の結果である。

AIのフレーム問題:副次的に発生する事項に対応せよといえば、あらゆる問題があり、時間切れとなる。関係のある問題とどうでもよい問題を予めわけなくてはならない。AIはムンクとモナリザの識別しか問われては居まい。

次に人間の特性について:認知バイアス(錯視)補助線を引くと分かるが、作業に関連する人数が増えるとエラーは増える。オペ室は多重度が多い。同調圧力による間違いも生ずる(アッシュの同調実験)。AIは空気を読まないからそれは間違わない。電気代が安い、集中力は変わらない。手術安全チェックシステムの話などAiga人よりも有利な点もある。

結膜充血の分類:客観性が問題。境界分離法がない。カッパ係数(ばらつき)。血管占有率で分類するから撮影には専用機種もいるし、分類不能も出る。JAOS分類を開発。

第3講義:柏木賢治先生:

坂本先生による柏木先生の紹介:AI推進に関連しては、アフリカなどではAIを医師に置き換えようとする危険な動きさえもある。一般に医師には反政府的な傾向もあるし、医療費削減の立場からも、医学河野削減や医師を減らしてゆくといった危険な動きにも注意して行きたい。

人工知能の進歩:第一次:計算が早いとされた。第二次:物知りな人工知能。第三次:学習するAIは2013年。

物を見る:AI利用による認識エラー低下。特定のタスクならば有効にAIが使える。大腸内視鏡での利用が日本で唯一承認されているものだ。眼科の画像ではカラー眼底写真やOCT写真を分析する:これらの撮影では患者さんへの負担が少ない。日本での特徴として、画像撮影装置の普及率は高い。眼科診療は視力、眼圧、視野などの数値が使える。AIには予後や、治療方針での助言が期待できる。論文も多い。糖尿病網膜症、緑内障、白内障でのAI利用の論文が多い。そこではAUC(正答率)を論ずる。いずれも高い正答率を示している。緑内障でもその正答率は98%と高い。

・Nature medicineのFauw 2018論文もある。異なった機種のOCT間でも使えた。加齢黄斑変性の紹介専門医への必要性の判断ができた。

・Gu H 角膜疾患のAI診断2020。ヒートマップで角膜疾患の診断根拠を指摘している。

・充血の評価:2019増本論文

・角膜前眼部写真AI診断の有用性は90%と高い。

日本では画像診断機器の普及率が高くAI診療の基盤はある。スクリーニングで多用。AIha診察支援、手術支援、医療事故の防止などにも有効である。部位別では既に述べたが、スクリーニング利用が多い。医師の診断の補助とされる。スクリーニング:健診には利用のデザインが大事で、負担軽減なども必要。致死的疾患では陽性的中立に注目する。罹患率10%程度の白内障だとこの陽性的中立は90%になる。これが低い疾患だと、逆に陰性的中立が高いことが大事だ。

心疾患発生の予測(Populun)、腎機能の類推などの論文が出ている。

特殊な変化の判定はむつかしい。判定不能とすることも正しい対応だ。

日常診断の支援:/手術対応:/事故情報などへの利用も考えられる。

眼科AI学会と、データを集める法人のJOIA、そして機器協会が協力してAI利用を進めている。

診療の標準化が課題である。そのような緑内障チャートも作られている。社会環境も大切。個人情報、次世代医療基盤法、オプトアウトなどがキーワード。:

Categorised in: 角膜疾患