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2021年5月20日

12880:「ブルーライトカット眼鏡は本当に効果がないのか?」日刊ゲンダイ記事紹介です

清澤のコメント:この記事は私も記述に協力した「日刊ゲンダイ2021年5月21日号13面」の記事から採録しました。井上記者がレンズメーカーの方々から聞いたところによると、「ブルーライトBLとは可視光線の中で、380~495ナノメートルの青色光を言い、日本のブルーライトカットレンズ(BLC)の多くは、普通の無色眼鏡より5~15%程度をカットしているに過ぎず太陽光の多くは通過している。」という事だそうです(図:イトーレンズHPから)。さらに、この記事ではそのことにふれてはいませんが、慶応大学坪田名誉教授たちはブルーの外側に近視化を妨げるバイオレット(紫)の帯域が有ると主張しています。

  ーーーー記事引用ですーーーー

日本眼科学会など関連6団体が「慎重意見」を表明

背景に、強度近視のパンデミック

 「どういうことなの?」ーー。多くの人が戸惑ったのではないか。スマホやパソコンが放つブルーライトをカットし、「疲れ目」の予防などに効果があるとして人気の「ブルーライトカット眼鏡」(2011年発売、以下BLC)について今月14日、日本眼科学会など眼科関連6団体が「小児のBLC装用に対する慎重意見」を表明したからだ。それにはBLCの「眼精疲労の軽減」と「目の病気の予防」について「エビデンス(科学的根拠)に乏しい」とし、「小児にBLCの装用を推奨する根拠はなく、むしろBLC装用は発育に悪影響を与えかねません」と警鐘を鳴らした。なぜいま慎重意見なのか? 「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長に聞いた。

「今回の発表は,、世界中の眼科医が共通して持っている“世界的な近視激増への懸念”から出たものです。失明リスクが高い強度近視になる人が世界中で爆発的に増えていて、欧米のある研究機関は、11年前に約20憶人だった近視人口が、40年後には世界人口の約半分の50憶人に増加。そのうち9・3億人は強度近視になると推計しています。日本でも視力低下の子供が増加中で、2年前の文科省統計では、裸眼視力1・0未満の割合は小学生約35%、中学生約57%、高校生約68%。さらに新型コロナの流行で室内時間が増えたことから、子供たちの視力低下に拍車がかかっていることが明らかになっているのです」

 4月から文科省が推進する「GIGAスクール構想」がスタート。小中学校に通う児童・生徒に対して、1人1台端末を使うことになった。自宅でのスマホやゲームの使用状況を考えると結果的に子供たちは長時間モニター画面を見続けるようになる。そのため、眼科医の間で子供の目を守るための科学的考察が行われてきた、という。

「近視が進行すると緑内障、視野障害、白内障、網膜剥離、黄斑変性など目の疾患の合併リスクが高まるとされ、人生100年時代の子供の強度近視の増加は大きな問題です。現在の近視の多くは軸性近視と言われ、眼軸が伸展することで発症すると言われます。眼軸長が伸びると、眼球の中で焦点が網膜より手前になるため、遠くが見えにくくなります。眼軸長の伸びは小中学生の間続くと考えられ、それを抑えるには1日2時間以上太陽光を浴びることが良いとされています。今回の慎重意見は、BLCを1日中かけることで眼軸長の伸びを抑制する光までもがカットされることを恐れているからなのです」

 実際、慎重意見には以下の理由が書かれている。

① デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライト(以下BL)は、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはない

② 小児にとって太陽光は、心身の発達に好影響を与えるもの。十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まる。BLC装用は、BLの曝露自体よりも有害である可能性が否定できない

③ 最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、BLCには眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告

④<体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にBLCをあえて装用する有効性は根拠に欠ける

「意見書の根拠のひとつになったのは、世界的な眼科雑誌『AM J OPHTHALMOL』の記事です。米国眼科学会のQ&Aでも同様のコメントが示されています」

  それにしても公表はなぜいまなのか。

  慎重意見にはその理由として<小児にBLCを装用させることを推奨する動きが一部にありますが、我々は以下の科学的観点からそれを危惧するものであります>とある。

  一部大手眼鏡チェーン店が都内の一部小中学校にBLCの寄贈を発表したことを指すとされうが、今回の学会の見解はあくまでもエビデンスに基づいた意見であろう。

  BLCは本当にメリットがないのだろうか。

「慎重意見には、<夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると、睡眠障害をきたす恐れが指摘されています。従って、夕方以降にBLをカットすることには、一定の効果が見込まれる可能性はあります>との記載がある。メリットがまったくない、ともいえません」

 また、「AM J OPHTHALMOL 」に掲載された論文が調べたのは120人を2群に分け、2時間パソコン画面を見続けた結果を比較したもの。22本の参考文献の対象も欧米人だ。

 これだけで結論を下せるのだろうか。

 そもそもBLとは可視光線の中で、380~495ナノメートルの青色光を言い、日本のBLCの多くは、普通の無色眼鏡より5~15%程度をカットしているに過ぎず太陽光の多くは通過している。

 眼とBLの研究には様々な学説がある。消費者としては、情報を正しく仕入れたうえで、自己判断でBLC使用の有用性を判断することだ。

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方