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2021年5月12日

12854:眼鏡変えたら肩こり改善? 「目」と「肩」はどうつながっている? 眼科医に聞く:大人んサーから記事抄出

清澤のコメント:肩こりがあっていない眼鏡に原因があるということはしばしばみられることです。近視に対して矯正が強すぎる場合や老視に対する凸レンズの矯正が不足している場合、そして斜視が隠れていてプリズム成分を必要とする場合があります。しかし、患者さんによっては「眼精疲労の目薬が欲しくて来たのであって、新しい眼鏡を買いたくて来たわけではない。」と、言い張る方も稀ではありません。そこをどう納得させて、先ずはメガネのかけ試しに持ち込むか?が争点です。こうして小一時間かけて眼鏡処方箋まで発行しても、本人が納得してくださらねば、眼鏡作成は行われないでしまうこともあるかと思われます。末尾に眼精疲労の諸原因をまとめた自著記事をリンクしておきます。

11628:眼精疲労,asthenopia,ocular strain

清澤のコメント:つい最近出版され、著者献本の届いた 「今日の治療指針2020年版 (2020年1月1日発行)から、私が担当した「眼精疲労」の項目です。旧版(61版)と同じ記述にならぬように、編集部で毎年著者と担当項目を入 … 続きを読む11628:眼精疲労,asthenopia,ocular strain (こちらはプロの眼科医向け記述です。)

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5/10(月) 6:10配信

オトナンサー

目と肩のつながりは?

「肩凝り」を感じて、肩をもんだり、湿布薬を張ったりしてもなかなか治らなかったのに、眼鏡を変えたらよくなったという経験はないでしょうか。「目の疲れが肩凝りなど体の不調につながる」「肩が凝ったら、眼精疲労かも」とのネット情報もあります。目と肩の不調はどのようにつながっているのでしょうか。かわな眼科(千葉県松戸市)の川名啓介院長に聞きました。

眼精疲労のさまざまな原因

Q.そもそも、眼精疲労とは何でしょうか。 川名さん「眼精疲労とは、主に目を酷使することで、目の痛みや疲れなどの不快感を引き起こし、さらに体の各所に変調を来して、その症状が長引くことをいいます。パソコンやスマホの普及で、以前よりも起きやすくなっていると考えられます。眼精疲労のほかの原因としては、眼鏡やコンタクトレンズの度が適切でない、ドライアイ、緑内障、白内障、斜視なども挙げられます」

Q.目の疲れから、肩凝りが起きることがあるのは事実でしょうか。目と肩とは少し距離があります。どのような仕組みで肩凝りが起きるのでしょうか。

川名さん「目の疲れから、肩凝りが起きることがあるのは事実です。これも眼精疲労の症状の一つで、自律神経系の乱れが原因と考えられます。自律神経は脳や脊髄から、体内のいろいろな器官につながっているので、目の不調が肩の不調に関係することがあるのです。

眼精疲労が生じる原因として多いのが、仕事などで長時間、同じ姿勢でパソコン作業をしたり、本や新聞を読んだりすることです。通常の単焦点(ピントが1カ所に合うもの)眼鏡やコンタクトレンズを装用している人、あるいは眼鏡なしでも遠くがよく見える人の場合、おおよそ5メートルの距離で物がよく見えるようになっています。

そのような人は近くを見る際、目の焦点を合わせる必要があります。目の中にある『毛様体筋』という筋肉が収縮して、水晶体を厚くしてピントの調節をしています。この調節力は子どもの頃には非常に大きいのですが、年を重ねるにつれて弱くなってきます。そのため、おおよそ40歳を過ぎると、近くのものが見えにくくなります。これが『老眼』です。はっきり見える物の奥行き方向の範囲が狭くなる状態といえます。

パソコン作業やスマホの画面を見るなど、近くを長い間見ているときには、毛様体筋がずっと緊張している状態になります。毛様体筋は自律神経で支配されていますので、その自律神経系に長時間負荷がかかることになります。その結果、自律神経系の乱れとして、『目の奥が痛い』『肩が凝る』といった症状が出ると考えられます。

さらに、加齢とともに調節力が落ちることで、同じくらい近くの物を見るときでも、若い頃よりも多くの調節力が必要となり、疲れやすくなります。マラソンなら、全速力で走っているような状態です。10代、20代といった、調節力が大きい年齢の若者よりも、調節力が徐々に落ちてくる40代やそれ以上の中高年の方が眼精疲労を感じやすいのはそのためです。年を重ねるに従って、近くを見た際に眼精疲労を起こしやすくなるのです」

Q.目の疲れが胃痛や全身の倦怠(けんたい)感、うつ状態につながるとの情報もあります。事実でしょうか。 川名さん「眼精疲労で自律神経系の乱れ(交感神経優位)を生じることがあるためです。交感神経は人間がピンチになったときに優位になる神経です。交感神経が優位になることがなぜ、胃痛などの症状につながるのか、例え話で説明しましょう。

外食をした帰り、道を歩いていたら偶然、猛犬が出てきた状況を想像してみましょう。心臓がドキドキして、すぐ逃げられるように力が出る状態になりますね。体の中も食べ物を消化している場合ではありません。そのようなときに働くのが交感神経です。

一方、安らいでいるときに働くのが副交感神経です。猛犬からうまく逃げ出して、ホッとしてリラックスした状態を考えてみましょう。このような状態になると、心が落ち着き、胃や腸などの内臓の機能が活性化されます。以上のようなことから、交感神経が優位の状態になると、内臓の機能がうまく働かなくなり、胃痛や体の不調をきたしやすくなるといえます。さらに、胃痛など慢性的な不快感があることで、うつを感じることもあります。

目が慢性的に疲れて、自律神経系が乱れたときにも同様のことが起こり、胃痛や倦怠感、うつ状態につながることがあるのです」

Q.では逆に、肩凝りや胃痛から、目に悪影響が出るということはあるのでしょうか。

川名さん「肩凝りがあって、目の奥が痛くなるという人はいます。自律神経系の乱れが考えられます。一方、胃痛から直接、眼精疲労が起きるというのはあまり一般的ではないと思われます。しかし、慢性的な自律神経系の乱れが目の毛様体筋に作用して、眼精疲労を起こすことは考えられますので、胃痛と眼精疲労も無関係とはいえないかもしれません」

Q.眼精疲労を予防するためには、どのようにすればよいでしょうか。

川名さん「目が重い、痛い、疲れるといった症状から眼精疲労になるのを予防するには、まずは適切な度数のメガネやコンタクトレンズを装用することが大切です。『裸眼でもよく見える』という人もいますが、きちんと眼科で検査をすると、微妙に近視や遠視、乱視があることはよくあります。その場合、きちんと度を合わせた方がよいと思われます。

眼精疲労を起こす原因の多くはパソコン作業やスマホを長時間見ること、読書などと思われますが、見る際の距離に合わせた矯正が大切です。パソコンでは40~60センチ、スマホは20~30センチ程度が標準的な距離ですが、個人個人で多少違いますので、自分の使用する距離に合わせたベストなメガネやコンタクトレンズを装用することで、眼精疲労はかなり予防できると考えられます。その上で、1時間に5~10分程度の休憩を取り、外のものを見たり、少し歩いたりするとよいと思います。

ドライアイも眼精疲労の原因として多いものです。簡単な予防法としては、パソコンなどの画面の高さを自分の目の高さよりも低くすることです。パソコン作業をしているときは、まばたきの数が少なくなることが報告されています。目線を下げることで、目の表面が露出する面積が少なくなりますので、水分が蒸発しにくくなって、ドライアイになりにくくなります。

また、コンタクトレンズを使っている人は長時間のパソコン作業の際、コンタクトをやめて眼鏡にするとさらに乾きにくくなります。ヒアルロン酸入りの点眼薬(目薬)も有効です」

Q.眼精疲労を治すには、どのようにすればよいでしょうか。眼科医を受診すべき目安も教えてください。

川名さん「眼精疲労はいったん起きてしまうとなかなか治すのが難しいので、予防が大切です。しかし、なってしまった場合はまず、近くを見ることを中止して、遠くを見ることが大切です。目を温める方法も有効です。市販のもので、目を温めるための専用のアイマスクがありますので、試すのもよいと思われます。メガネやコンタクトレンズの度数は2~3年で変わることがありますので、同じものを数年にわたって使用している場合、一度眼科で相談するとよいでしょう。

通常の疲れ目は一晩寝ると改善することが多いですが、休んでも全然、症状がよくならないなど、2週間以上ずっと続くようであれば、眼精疲労の原因がドライアイや斜視、白内障、緑内障である可能性もあるので、早めに眼科で相談することをおすすめします」

オトナンサー編集部

以下は私の担当した「今日の治療指針2020」の記事「眼精疲労」の紹介です。

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方