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2021年1月4日

12544:円錐角膜とコンタクトレンズ

清澤のコメント:円錐角膜とは、Wikipediaを見ますと「特徴的な円錐状の角膜を呈す円錐角膜 (えんすいかくまく、英keratoconus) は、眼球の角膜におこる非炎症性変性疾患。角膜が薄くなり中心部が突出するため、角膜の曲率が正常範囲を超えて小さくなる。円錐角膜に罹患すると、物が変型して見え、二重に見えたり眩しく見えたりする。角膜の変性を起こす状態として最も多いものであり、人種によらず1000人に1人程度の有病率である。思春期に発見されることが多く、20-30代に最も重篤になる。」とされています。今回、糸井素純先生の「円錐角膜とコンタクトレンズ」(日コレ誌62:54-60,2020)が届きましたので要旨を採録してみました。実際に処方が必要な方が来たら、それが得意そうな診療所への紹介をして、処方されてからの経過観察をさせていただこうかと思います。

  ----要旨------

円錐角膜に対するハードコンタクトレンズ(HCL)処方の適応範囲は非常に広く、適正に処方すれば、日常生活に必要とする視力を得ることができるだけでなく、オルソケラトロジー効果により、進行抑制も期待できる。円錐角膜の角膜形状は、円錐部分に相応する中央部と周辺部で角膜曲率半径が大きく異なるために、進行した円錐角膜ではHCLではパラレルフィッティング(注1)を得ることはできない。そのようなケースでは、中央部ではなく、周辺部のフィッティングを重視して、3点接触法、2点接触法(注2)で球面HCLを処方する。球面HCLはオルソケラトロジー効果に優れ、良好な矯正視力が得られる。当院の円錐角膜患者の約85%に球面HCLを処方している。その一方で、安定したフィッティングが得られないこともある。そのようなケースでは、パラレルフィッティング(注1)をめざし、多段カーブHCLを処方する。HCL特有の異物感が強かったり、、円錐頂点部の角膜上皮障害を繰り返す例に対しては、SCLの上にHCLを装用するPiggyback Lens Systemで処方する。

清澤注1:パラレルフィッティングとは;ハードコンタクトレンズのベースカーブBC と角膜形状(一般に角膜曲率半径)がほぼ一致している場合をパラレル,BC が角膜曲率半径よりも大き
い場合をフラット,小さい場合をスティープというが,その評価はフルオレセインで染色して行う.

清澤注2;3点接触法ないし2点接触法での球面HCL処方とは:(http://www.eyeacademy.net/eyeacademy/keratoconus/technique.html

3点接触法:円錐角膜にハードコンタクトレンズを処方するときのフィッティング手法の一つです。ハードコンタクトレンズ後面が黒目の円錐頂点部と周辺部(2点)の計3点で接触し、支持されるように処方する方法。涙液交換が十分に確保され、レンズ保持性が優れているのが理想の3点接触法です。通常、3点接触法は多段階カーブレンズを処方するときに用いるが、比較的軽度の円錐角膜では球面レンズで3点接触法の処方が可能。

2点接触法:3点接触法と同様、円錐角膜にハードコンタクトレンズを処方するときのフィッティング手法の一つ。ハードコンタクトレンズを角強膜の上方部分と円錐頂点部の2点の間に支える方法。一般に球面レンズを用いるが、多段階カーブレンズ、非球面レンズでも2点接触法で処方は可能。涙液交換が十分確保され、かなり進行した円錐角膜でも、長時間の装用が可能となる。またレンズ後面で円錐頂点部を押さえつけることで、円錐角膜の進行を抑えることが出来る。ただし、レンズの動きが大きく、レンズの安定性も劣るので、眼球を急に動かしたり、涙が多いと、レンズがずれたり、落下することがあります。またレンズが汚れていると、レンズ後面による円錐頂点部のこすれにより、角膜上皮びらん、角膜白斑、角膜上皮過形成を生じるので、レンズの汚れには注意が必要。

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方