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2020年7月27日

12127:眼内コンタクトレンズはお勧めできるもの?

清澤のコメント:眼内コンタクトレンズ手術を受けたいのでよい医師を紹介してほしいという20歳代の患者さんが家族とともに来院されました。両眼がマイナス4ジオプトリ―程度の近視であるこの患者さんには、コンタクトレンズまたは眼鏡が使えるならば最も適した適応ではないだろうというのが私としての考えでした。然し眼内コンタクトレンズ挿入手術は、自分の得意分野ではありませんので、よく知っている医療機関であってその治療も可能な病院へ紹介状を出すことにしました。当医としては「その適応条件を考慮したうえで、利点と欠点を十分検討説明してその適応であり、かつ価格等も含めて患者さんの要望に合うものでれば手術もご検討ください」と言う事にしました

後で眼内コンタクトレンズの適応を決めた日本眼科学会の記事(http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/lasik_7.jsp)を見直してみました。「平成22年2月2日に有水晶体眼内レンズが承認されたことを受け、日本眼科学会は同レンズ挿入術に関する取り決めを盛り込んだ第六次答申を行ったが、今回の第七次答申では、同レンズの普及に伴って蓄積された臨床データをもとに、手術適応基準を改変することとする。今回の改正点としては、「慎重適応」のもと屈折矯正量を3D以上6D未満の中等度近視にまで緩和したこと(中略)が挙げられる。(日眼会誌123:167-169,2019)」とされていました。それを見ますと、マイナス4ジオプトリ―の症例は「慎重適応」には含まれることになります。

下に再度引用する当ブログの以前の記事もご覧ください。利点欠点などこの記事の主要部分を再掲しておきます。

当時の清澤のコメント:私は、眼内コンタクトレンズは強い近視がその適応と考えており、「コンタクトレンズメインテナンスの時間を買う」という安易な感覚で広告されるのには基本的に反対です。この記事でも北里大学神谷先生の慎重なコメントに好感を持った記事です。私の医院では36,000余人の全カルテを回顧しても、眼内コンタクトレズを入れた目で受診された方はまだ数人を超えず、その手術を目的に私が他病院へ紹介した患者さんも皆無です。本日は上記記事の概略を紹介します。

 ICL(Implantable Contact Lens)は、眼内にレンズを挿入し視力を矯正する「屈折矯正手術」のひとつ。

◎角膜を削らずレンズを取り外せる

 ICLの相場は両目50万~70万円で高価「視力矯正手術は保険適用外の自由診療で、設定価格はまちまち。術後検診の回数も異なる。ICLはオーダーメイドレンズで、レンズ代が高価。レンズ作成まで約1ヵ月。『思い立ったらすぐ手術』ではない」

ICLは強度近視に対する手術として発展したが、その安全性・有効性の高さから、最近は中等度近視にも適用が広がった。術後が同じ視力でも、見え方の質が良い。「角膜をレーザー切削は、創傷治癒反応で少し近視が戻る可能性が有るが、ICLではほとんどない。また、レーシックではドライアイの悪化もある。ICLでは悪化することもなくてドライアイ向きといえます」

 適用年齢は21~45歳。過去1年間の視力が安定していること。ICLは、万一の時は外せる。「可逆性は、患者さんに大きな安心材料。白内障手術の際に、ICLレンズを外し、人工レンズを入れることも可能。白内障手術に長けた医師がICLライセンスを取得する傾向にある。」白内障の誘発も、ICLレンズ改良で減った。一方で、術後ケアの必要性や、ハロー(光輪)、グレア(ギラつき)発現リスクは残る。

神谷氏は、視力矯正手術に対して一歩引いた立場。『眼鏡で頭痛』『コンタクトでドライアイが悪化』など、目の健康に問題が有る人の助けとなるべき視力矯正手術。眼鏡やコンタクトが快適なら、リスクを冒す必要はない。ICLのメリットだけでなく、リスクも十分に説明し、医師と患者の信頼関係を築けるような医療機関が望ましい。」

「コンタクトケアする手間をお金で買おう」など、時短ワザとして手術を勧める文言に盲信的に飛びつくのは禁物。慎重に検討すべきだ。

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方