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2019年11月16日

11299: 眼内コンタクトレンズ「ICL」の希望と限界

レーシックに次ぐブームに?眼内コンタクトレンズ「ICL」の希望と限界 元記事;https://diamond.jp/articles/-/220614

松嶋千春:清談社 健康 News&Analysis 2019.11.15

清澤のコメント:私は、眼内コンタクトレンズは強い近視がその適応と考えており、「コンタクトレンズメインテナンスの時間を買う」という安易な感覚で広告されているとは思っても居ませんでした。週刊ダイアモンドの健康記事には優れたものが多く、この記事も北里大学神谷先生の慎重なコメントに好感の持てる記事です。私の医院では36,000余人の全カルテを回顧しても、眼内コンタクトレズを入れた目で受診された方はまだ数人を超えず、その手術を目的に私が他病院へ紹介した患者さんも皆無です。本日は上記記事の概略を紹介します。

 ―――記事の要点――――

過去に一大ブームとなった視力矯正手術「レーシック」も、最近はメディアで話題にのぼることは減った。そんななか現れたのが「ICL」。眼科専門医に聞いた。(清談社 松嶋千春)◎玉石混交だったレーシック ライセンス制が厳格なICL

 ICL(Implantable Contact Lens)は、眼内にレンズを挿入し視力を矯正する「屈折矯正手術」のひとつ。北里大学医療衛生学部視覚生理学教授神谷和孝氏に聞いた。

「ICLは2010年に厚生労働省が承認。屈折矯正手術でのシェアは3割。ここ1~2年で認知が進み、患者が増えた。柔らかい素材のレンズを、目の中の虹彩と水晶体間に入れる」

 同じく屈折矯正手術のひとつのレーシックは、角膜をレーザーで削る手術法。2000年代からメディア露出が増え、一世を風靡したがピーク時と比べると手術件数は約10分の1に減った。依然としてレーシックのシェアが大きく、ICLが取って代わるほどのブームではない。

「レーシックは、眼科の専門領域外(清澤注:美容外科)からの参入も激しく、急速な広がりを見せた。術後トラブルへの対応も不十分だった。ICLは、眼科専門医に限定され、学会講習や認定手術でライセンスを付与して、導入ハードルが高い。」

◎角膜を削らずレンズを取り外せる

 ICLの相場は両目50万~70万円で高価。「視力矯正手術は保険適用外の自由診療で、設定価格はまちまち。術後検診の回数も異なる。ICLはオーダーメイドレンズで、レンズ代が高価。レンズ作成まで約1ヵ月。『思い立ったらすぐ手術』ではない」

ICLは強度近視に対する手術として発展したが、その安全性・有効性の高さから、最近は中等度近視にも適用が広がった。術後同視力でも、見え方の質が良い。「角膜をレーザー切削は、創傷治癒反応で少し近視が戻る可能性が有る。ICLではほとんどない。また、レーシックではドライアイの悪化もある。ICLでは悪化することもなくてドライアイ向きといえます」

 適用年齢は21~45歳。過去1年間の視力が安定していること。ICLは、万一の時は外せる。「可逆性は、患者さんに大きな安心材料。白内障手術の際に、ICLレンズを外し、人工レンズを入れることも可能。白内障手術に長けた医師がICLライセンスを取得する傾向にある。」白内障の誘発も、ICLレンズ改良で減った。一方で、術後ケアの必要性や、ハロー(光輪)、グレア(ギラつき)発現リスクは残る。

神谷氏は、視力矯正手術に対して一歩引いた立場。『眼鏡で頭痛』『コンタクトでドライアイが悪化』など、目の健康に問題が有る人の助けとなるべき視力矯正手術。眼鏡やコンタクトが快適なら、リスクを冒す必要はない。ICLのメリットだけでなく、リスクも十分に説明し、医師と患者の信頼関係を築けるような医療機関が望ましい。」

「コンタクトケアする手間をお金で買おう」など、時短ワザとして手術を勧める文言に盲信的に飛びつくのは禁物。慎重に検討すべきだ。

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方