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2017年8月8日

9087:中学生のカラーCL装用率が急上昇

9087:中学生のカラーCL装用率が急上昇
学校現場でのCL使用状況調査より

 2017年08月07日 06:20

若い世代を中心に定着したカラーコンタクトレンズ(カラーCL)は、おしゃれアイテムであると同時に高度管理医療機器でもある。購入には眼科医の処方と定期検査が推奨されているものの強制力はないため、不適切な購入や使用が懸念されている。日本コンタクトレンズ学会理事を務める宇津見眼科医院(横浜市)院長の宇津見義一氏は小・中・高校生を対象とした10万人規模の全国調査から得られたカラーCLの使用実態について、第60回日本コンタクトレンズ学会(フォーサム2017大阪、7月14~16日)で報告した。

中学生の装用率は6年前の25.5倍

日本眼科医会では2000年から3年ごとに小・中・高校生を対象としたCL使用状況の全国調査を行っている。今年(2017年)報告された2015年の調査は小学生3万402人、中学生25,174人、高校生44,663人の計100,239人が対象である(日本の眼科 2017; 88: 179-199)。

その結果、カラーCLの装用率は前回調査(2012年)と比べて、小学生は1.9%から今回0%と減少したが、中学生は0.4%から5.1%、高校生は3.2%から3.9%といずれも有意に増加した(P<0.05、χ2検定)。2009年調査との比較では、高校生の装用率が6年間で6.5倍となったのに対し、中学生では25.5倍と、カラーCLの使用が中学生で急速に広まっていることが示された。

購入場所については、一般眼科・病院が中学生で7.8%、高校生で13.6%にとどまり、医師の処方を必ずしも必要としないインターネットや通信販売、雑貨店などが中学生81.4%、高校生68.8%に上った。

宇津見氏らが神奈川県の中・高校生約8,000人を対象に行った調査では、装用率、処方箋に基づかない購入の割合ともに全国調査を上回る結果が出ており、都市部ほど多くの中・高校生がカラーCL を装用し、処方箋なしで購入している実態がうかがえるという。

中・高校生の6〜8割が処方箋なしで購入、検査も受けない

眼科医の検査をカラーCL購入前に受けなかった割合は中学生で81.0%、高校生で66.8%、購入後も検査を受けなかった割合はそれぞれ85.7%、69.5%と高かった。さらに、カラーCLの使用を充血や痛みなどで中止したにもかかわらず眼科を受診しなかった割合は中学生で79.2%、高校生で69.9%に及んだ。中学生の方が眼科の検査や診察を受けない割合は高く、コンプライアンスにより問題のあることが浮き彫りとなった。

CL装用でよく見られる合併症にアレルギー性結膜炎と角膜障害がある。カラーCL装用者では、アレルギー性結膜炎が中学生で20.0%、高校生で31.4%、角膜のきずおよび角膜炎・角膜潰瘍はそれぞれ80.0%、57.0%と、視力障害に直結する角膜障害が高率に見られた()。

図.中・高校生のカラーCL装用による合併症(平成27年度学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査・複数回答可)


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(宇津見義一、他. 日本の眼科 2017; 88: 179-199)

CL装用者全体の角膜障害は2012年の調査で減少したにもかかわらず、今回は2009年調査時と同レベルに戻った。これについて、宇津見氏は「CL適正使用の啓発活動がいったんは功を奏したものの、効果が持続しなかった」として、「カラーCLを含めCLの眼障害予防には啓発活動に加え、CLの販売を眼科医の処方箋に基づくとした法規制も考慮する必要がある」と述べた。

(野田優子)


Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方