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2017年8月8日

9086: コンタクトレンズで夜間高眼圧を発見

9086: コンタクトレンズで夜間高眼圧を発見

 2017年08月04日 06:15

眼圧の正確な測定は、緑内障の診断・治療に欠かせない。しかし、現在の標準的な検査法では、夜間の眼圧や眼圧日内変動の計測は難しい。大阪大学眼科学講師の三木篤也氏は、眼圧を継続的に測定可能な眼圧センサーコンタクトレンズ(眼圧CLS)の臨床的有用性とその限界について、第60回日本コンタクトレンズ学会総会(フォーサム2017大阪、7月14~16日)で、自験例を交え解説した。

眼圧日内変動を通院で計測可能

日本人に多い正常眼圧緑内障の中には夜間高眼圧の症例が多数隠れており、日中眼圧の観察だけではそのような症例に適切な治療を行えない可能性がある。患者を1泊入院させた眼圧日内変動測定が行われてはいるものの、睡眠を何度も中断しての計測は患者・医療者ともに負担が大きい上、仰臥位から坐位への体位変更による眼圧変化のため、正しい夜間眼圧が測定できないという問題点がある。

眼圧CLS(The SENSIMED Triggerfish®)は日本ではまだ医療機器としての承認を得るには至っていないが、三木氏らはSENSIMED社(スイス)との共同研究で、眼圧CLSを用いた眼圧日内変動の測定を行っている。眼圧CLSを装着した患者は入院する必要がなく、アンテナの役割を果たすシートを検眼の周りに貼ることで、5分ごとに30秒間自動的に眼圧を計測することができる。なお、眼圧CLSが捉えているのは眼圧変動に伴う強角膜の変形で、眼圧の絶対値ではない。

 

眼圧CLSは緑内障の治療方針決定に有用

緑内障と診断された、もしくは疑いのある40症例を対象に眼圧CLSで24時間眼圧測定を行った検討では、繰り返し睡眠中に眼圧のピークを示す夜間高眼圧の症例が62.9%と報告されている(IOVS 2012; 53: 8050-8056)。三木氏らの検討でも9例中4例が睡眠中にピークを来し、2例が睡眠中から起床直後まで持続的な眼圧上昇を示した。

眼圧CLSを用いた測定で夜間高眼圧を認めなければ、その症例は真の意味での低眼圧型緑内障と考えられ、他のリスク因子の探索などを考慮する必要がある。一方、夜間高眼圧であった場合は、夜間の眼圧下降を目標として、日内変動を考慮しつつ点眼液の種類・点眼のタイミングを変更する()、もしくはレーザーや手術を施行するなどの対応が考えられる。

図.眼圧センサーコンタクトレンズによる24時間眼圧測定により、点眼時間を変更した例
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(三木篤也氏提供)

このように眼圧日内変動の測定は診断と治療方針を左右することから、三木氏は「日本での臨床使用が承認されれば眼圧CLSは爆発的に普及し、いずれ不可欠な検査法になりうると考えられる」と述べた。

(野田優子)


Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方