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2017年8月2日

9069:先天眼振の治療、プリズム眼鏡作成とは?

   夏休みで数年ぶりに来院する先天眼振の患者さんたち。それらの方々にプリズム作成を試みて比較的良い結果が出たという患者さんが、このところ続いています。

◎「先天眼振」について          

眼振とは、眼球のリズミカルに揺れるような往復運動の事。先天眼振は、この眼振が生後3月ころから認められるものです。
乳幼児期に眼振がみ有れる場合には、特別な脳の異常による眼振でないことを否定しておく必要があります。先天的に黄斑の形成が悪いような場合と、その様な変化を伴わないものがあります。
ダロフ博士は先天眼振にみられることが多い特徴をいくつか列挙しています。
1)輻輳(近くに視線を移して中央に眼を寄せること)、暗所、閉瞼により抑制される。
2)注視(ある一点を見つめる)により増強する。
3)静止位(眼振が非常に弱くなるかあるいは消失する方向)がある。
4)側方注視(左または右方向を見ること)により増強する。(=静止位からのズレが大きいほど増強。)
5)強い遠視や乱視を伴うことが多く、矯正視力が不良なことが多い。
6)遺伝性のあることがある。
7)白子症の合併する症例もある。
8)男:女=2:1で、男子に多い。
原因:眼振があるので視力が出ない場合と、視力が出ないので眼振を生じている場合があるようです。
治療:
1)視力矯正
上で述べた通り、乱視の強い患者さんは多いです。はっきりとした像を眼に送ることは眼振の抑制にもつながります。特にコンタクトレンズでは眼と一緒にレンズが動き、眼鏡よりも網膜上の像の動きも小さいとされます。
2)プリズム
輻輳を起こすようにプリズム・レンズ(コンバージェンスプリズム)を置いて眼振を抑制します。また、静止位が正面に近づくようにプリズム・レンズを置く方法(バージョンプリズム)もあります。
これは、別段新しい方法ではないのですが、当医院での最近の治療ではこのプリズム作成を喜ぶ患者さんが多い印象です。
3)バイオフィードバック療法
輻輳と開散(輻輳と逆に左右の目を離すこと)の訓練の他、音刺激、閉瞼、頚部の筋肉への刺激などで眼振が抑制されるかどうかを観察して、有効な方法を見つけて訓練していく治療です。
4)ハリ治療
これはその有効な効果を見ていないので敢えて省略。
5)薬物治療
内服薬で明らかな効果があるものは確定していませんが、抗痙攣薬のガバペンチンが有効とする海外の論文があります。眠くなる副作用は不利な点です。
6)手術
斜視の手術に準じた方法で、静止位が正面に近づくように眼球の位置を調整します。斜視手術になれた医師なら選ぶ可能性のある治療法です。
[参考資料]
◎103 先天眼振の診断と治療 https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50531998.html
◎斜視・弱視の病気の説明 ― 眼振 http://www.jasa-web.jp/list/3.html 日本弱視斜視学会のページ
 


Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方