お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2016年5月4日

7718:オルソケラトロジーに関するアンケート調査 集計結果報告書:の紹介です

7717:オルソケラトロジーに関するアンケート調査 集計結果報告書:の紹介です
anzen_06_01(日本の眼科:記事が出ているのは4月号です)
「オルソケラトロジーに関するアンケート調査 集計結果報告書」が日本の眼科87:4号2016、527-534に掲載されました。
この著者は公益医療法人日本眼科医会 医療対策部柿田哲彦ほか7名となっています。本日はその概要を抄出してみます

緒言
オルソケラトロジーとはハードコンタクトレンズ等の計画的装用によって角膜の形状を意図的に一時的に変化させて、近視や乱視などの屈折異常の矯正を図ることである。
わが国では2000年ころから。2009-2010に角膜矯正用コンタクトレンズαオルソ-K,マイエメラルド、ブレスオーコレクトの3種が承認された。
 オルソKには近視の進行を抑制する効果が存在する一方、LASIKと同様に非眼科医による治療や、重篤な感染症の問題がある。
 実際にオルソKを行っている施設の把握と治療内容を調査。
方法
1) 各都道府県の眼科医会への調査、3社のウエブサイトと突合して2)の対象施設を選ぶ
2) 372の医療機関に調査票送付。
結果
369施設から181(49,1%)の回答を得た。東京都:医会の把握=0、αオルソK9、マイエメラルド29、ブレスオーコレクト29医療機関.
1) ブロック別:関東甲信越111(30,1%)、東京60(16,3%)
2) 医療機関種別:一般眼科診療所90,6%
3) 開院年度、オルソK開始年度:2000年以後の会員施設が57%。1989年以降が83%。
4) 取扱い施設数:ブレスオーコレクト93、αオルソK59、マイエメラルド49、その他33.
5) レンズ別総患者数:マイエメラルド35,4%、αオルソK18,6%、ブレスオーコレクト14,2%。未承認レンズ31,8%。
6) 治療対象年齢:小学生25,0%、中学生-19歳41,1%、20歳以上33,2%。
7) オルソKを始めた理由(重複回答):これからの近視の有効な治療法53%、近視抑制効果がある53%、オルソKに興味50%、患者希望34%、宣伝効果を期待6%。
8) 経験した眼合併症(複数回答):角膜上皮障害(角膜糜爛など)62%、アレルギー性結膜炎23%、角膜輪状鉄沈着10%、感染性角膜潰瘍7%。
9) 今後の対応:続けたい87%、適当な時期に辞めたい1,7%
10) 個別意見:はじめてよかったこと16件(有効性他)、初めて悪かったこと27件(高価である、自由診療の不自由さ、医院の手間がかかる、ガイドライン外でのリスク、医院の気苦労が多い:など)、その他自由意見31件(小児に対する適応拡大への希望など)
『20歳未満の児童生徒に行う際の眼科医の責任問題が懸念されるにも関わらず、患者並びに保護者からの切なる願いに応えるべく自らの責任において真摯に患者と向き合う眼科医の存在が明らかになる一方で、適応年齢の低年齢化に伴い、受ける本人よりも保護者に対する理解を求める難しさや、自由診療に伴う価格の問題、ガイドラインから逸脱した治療における責任問題、長期予後や合併症対策、眼科的後遺症の有無に対する検証等の課題も明らかになった。』

眼科医清澤の個人的なコメント:
オルソケラトロジーを医院の診療にすでに取り入れ、多くの満足のゆく結果を目の当たりにしている私としては、日本眼科医会までもが共著者にその会長名までを加えて、単に「ガイドライン遵守」を前面に出したものではないこのように肯定的な報告書を出したことに敬意を表したいと思います。
オルソケラトロジーは装用時における近視矯正の具としてばかりではなく、近視進行を抑制するというのがその当初からの重要な使用目的でした。ですから、国外では小児に行うのが常識。しかし、初めに国内での初認を得るための治験を行った際に、20歳以下の被検者を募ることが困難であったため、その趣旨に反した20歳以上を適応とするという歪んだガイドラインになってしまったと聞いています。そのため現在オルソKを行う医師は「医師の裁量権」という奇妙な言葉に縛られ、その診療に関する全てを保険外で行う私費診療を強いられています。
現在、複数の大学でこの適応を広げるための治験を実施中であると漏れ聞いています。この方法は十分に実用的な方法ですから、その研究の結果、新たなガイドラインでその適応が広がれば、その日からオルソKは国内でも飛躍的に普及するものと期待しています。

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方