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2015年3月18日

6377:眼科医が知っておくべき近視矯正法「オルソケラトロジー治療」

眼科医が知っておくべき近視矯正法「オルソケラトロジー治療」:という記事がネットに出ており、先日ユニバーサルビュー社の方とお会いした時にこの記事のことを伺っておりました。多くの眼科医、眼科医療関係者にもこの記事を知っていただきたく思いますので、このブログにもそのまま採録しておきます。

清澤の私感ですが、オルソケラトロジーはすでに先取的な目を持った眼科医によって市中でも小児への応用普及が主治医の裁量権という言葉のもとに始まっています。しかし、現在の標準的処方は成人を対象としています。一方、幾つかの大学からのデータなどを基に近々その基準に改変が加えられて行くことが予想されます。その動きの中で広汎にナイトレンズ(ユニバーサルビュー社のオルソケラトロジーレンズ)の処方が広がるものと、私は予想し、既にその導入を行っています。

(私はこのレンズを既に導入していますが、それ以外の利害関係は有りません。記事の詳しい部分はリンク元からご覧ください。http://mrkun.m3.com/mt/onepoint/648/view.htm?mkep=news&pageContext=gp-27938&displaysite=pc_rhs_01&mke=1)

ーー記事の引用ーーーーー

手術不要の近視矯正法「オルソケラトロジー治療」は厚生労働省の製造販売承認を取得した高品質レンズを用いた導入が可能な状況にあり、裸眼生活を望む患者さんのニーズを満たす新たな選択肢として注目されている。今回、慶應義塾大学医学部眼科学教室の根岸一乃先生に、このオルソケラトロジー治療の特徴や、信頼性の高い東レ株式会社製ブレスオーハードと同じ素材を用いた「ブレスオーコレクト」レンズの有効性、安全性などについてご解説いただいた。
/慶応義塾大学医学部 眼科学教室准教授 根岸 一乃 先生

◎手術不要の新たな近視矯正法-オルソケラトロジー治療

現在、手術不要の新たな近視矯正法「オルソケラトロジー治療」が注目されています。オルソケラトロジー治療は、就寝時に専用のレンズを装用し、角膜形状を変化させることで、脱着後の裸眼視力を改善させる矯正法です。変化した角膜形状は一定期間維持されるため、その間は裸眼で日常生活を送ることができます。レーシックなどの手術と異なり、オルソケラトロジー治療は可逆性があるという大きなメリットを有しています。つまり、レーシックは角膜を切除してしまうため、将来白内障や緑内障に罹患した際に種々の問題が生じえますが、オルソケラトロジー治療はレンズ装用を中止すれば眼を元の状態に戻すことが可能です。

一方、通常のコンタクトレンズと同様、オルソケラトロジー治療も継続的なメンテナンスが必要であり、患者さんにきちんと通院してもらうことが大切です。

「オルソケラトロジー・ガイドライン」1)に適応となる患者さんが示されていますが(表1)、中等度までの近視で保存的な治療により裸眼生活を希望される方には適応になる可能性があります。

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◎酸素透過性の高いレンズ「ブレスオーコレクト」

以前は予測性、再現性の面で問題も指摘されたオルソケラトロジー治療ですが、現在は有効性、安全性が検証されて厚生労働省の製造販売承認を取得した高品質レンズが利用可能です。そのひとつが東レ株式会社のブレスオーハードと同じ素材を採用したレンズ「ブレスオーコレクト」です。ブレスオーコレクトはDk/L値78×10-9 (cm・mLO2 /sec・mL・mmHg)という高酸素透過性を持ち、同時に折り曲げても割れにくいという特徴を併せ持っています。高い酸素透過性は就寝時の角膜への酸素の供給を増加させます。また、割れにくい柔らかいレンズは装用感のよさをもたらすことが期待できます。

近視および近視性乱視を対象とした国内臨床試験において、ブレスオーコレクト装用前には93%の患者さんが小数視力0.5未満でしたが、12週後には98.5%の患者さんが0.7以上に改善したことが報告されています(表2)。
pct_02b
また、安全性については、表層角膜炎17.9%、表層角膜症6.5%、アレルギー性結膜炎4.3%などが認められましたが、安全性に問題があると判断されたものはありませんでした(表3)。
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◎オルソケラトロジー治療の適切な普及に向けて

手術不要で裸眼での日常生活が期待できるオルソケラトロジー治療は、手術適応のない患者さんや手術を受けたくない患者さんにとっては有用な選択肢の一つとなります。一方、眼科医がこの治療を導入する際には、処方の仕方が通常のコンタクトレンズと異なること、国内での長期データがないこと、また自費診療であることがハードルとなっていると推察されます。2012年には、オートレフケラトメーターの測定値を入力し、角膜形状についていくつかのパターンの中からもっとも近いものを選択すれば、トライアルレンズが簡単に選択できる処方アシストアプリケーションが登場しています。この処方アプリケーションを用いることで、通常のコンタクトレンズ診療をされている先生であれば、抵抗なくオルソケラトロジー治療を導入することができるでしょう。

また、長期的な安全性については複数の報告がありますが、今のところエビデンスレベルの高い報告はなく、現状ではオルソケラトロジーによる感染症への影響を断定できておりません3)。しかし、国内臨床試験の結果が示すように、適切な管理の下で使用すれば、安全性は高いと考えられます。ガイドラインを参考にして適応症例を選択し、定期的な経過観察を行って、今後もデータを蓄積していく必要があるでしょう。

前述のガイドラインによると、オルソケラトロジー治療の適応は20歳以上とされていますが、海外では近視進行抑制目的もかねて小児にも使用されています。国内では現在、愛媛大学、京都府立医科大学、慶應義塾大学の3施設で6-16歳の小児に対する有効性、安全性を検証する臨床研究を行っており、2年後を目途にその結果が明らかになる予定です。

References
1)オルソケラトロジーガイドライン委員会. オルソケラトロジー・ガイドライン. 日眼会誌. 2009;113 (6):676-9.
2)門田遊ほか. オルソケラトロジー(ブレスオーコレクト)の臨床成績. 日コレ誌. 2013;55:195-200.
3)Van Meter WS, et al. Safety of overnight orthokeratology for myopia: a report by the American Academy of Ophthalmology. Ophthalmology. 2008;115(12):2301-2313.

Categorised in: コンタクトレンズ・眼鏡処方