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2021年2月16日

12666:春の眼のかゆみ(花粉症) 消毒した手でこすっても大丈夫?目への強い圧迫は網膜剥離を起こすことも:日刊ゲンダイ自著記事採録

◎:2月20日

  春の訪れと同時に例年多くの日本人が悩まされるのが目のかゆみだ。空気中を漂う花粉やPM2・5、黄砂が目に入るとかゆくなり、思わず目をこすってしまう。今年は新型コロナ予防のため公共の施設や飲食店に入る前にアルコール消毒を強いられることが多い。その状態で目をかくと、問題はないのか。日本眼科学会専門医で「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。

「アルコール消毒薬が乾いていない状態で目を触れば問題ですが、公共の施設や飲食店に置かれているのは速乾性のものなので目にダメージが起こることは考えにくく、少なくとも当院ではそうしたケースは経験していません。むしろ、いま注意しなければならないのは小さな子供たちでしょう。海外では公共の施設などに設置された消毒液スタンドから飛び散ったアルコール消毒液が幼児の目に入る事故が増えていると報告されています」

 実際、フランス毒物対策センターによると、2020年4月1日~8月24日かけて手指消毒剤の有害化合物が子供の目に入った症例は前年同期に比べて7倍に増えたという。原因は足でペダルを踏んだり、手を差し出したりすると消毒液が出る、消毒液スタンドの噴き出し口の高さが4歳前後の幼児の身長と同じ約1メートルのものが多いためだ。入院した子供の中には角膜の手術を必要とした例も複数あったという。フランスなどの研究チームが1月下旬、米医学雑誌に「危険性を大人が認識し、幼児だけで使わせないことが必要だ」と警告した。

「アルコール消毒液は粘膜への刺激が強い。大人であれ、子供であれ目に入った場合は直ちに水やぬるま湯で洗い流すことが必要です。症状が重ければ眼科で診療を受けるようにしましょう」

 例年なら眼科に通い、抗アレルギー薬で目のかゆみを抑えている人も、新型コロナ禍の今年は薬なしで我慢している人もいるかもしれない。そういう人は目のかゆみが強いからといって、目を強くこすったり、瞼の上からもんだりすると網膜剥離や円錐角膜を起こすことがあることを知っておきたい。

「眼軸が伸び切った強度近視の人などが強く眼球をこすると、網膜がはがれてしまうことがあります。目が疲れたからと眼球を激しく動かすのも網膜剥離の原因となるのでやめましょう。また、黒目の中心部分が薄くなり、角膜が前方に円錐状に突出する進行性の病気である円錐角膜も眼球への強い圧迫などで発症することがあります」

 もちろん、1カ月以上前に処方してもらった点眼薬を使うのもいけない。目薬の中に細菌やカビなどが入り増殖している可能性があるからだ。

 目のかゆみにはステロイドの点眼薬が良く効くが、人によっては高眼圧を引き起こすこともある。

「ステロイド系の薬に反応し、眼圧が上る人をステロイドレスポンダーと呼びます。知らずに使い続け高眼圧が続くと緑内障になってしまいます。花粉症などに出す弱めのステロイド点眼で眼圧が上がることはまれですが、使用する際は1週間に1度くらい眼圧を計る慎重さを持ちましょう。最近は、非ステロイド系抗アレルギー薬が主流だが、激しい増殖性変化のある場合には免疫抑制剤の点眼薬も出ていますからそれに変えるのも手です。いずれにせよ、たかだか目のかゆみくらいと考えずにまずは眼科に相談すること。そうすることで思わぬ眼病を発見、治療につながることもあるのです」

Categorised in: 結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)