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2020年4月20日

11794:■眼の結膜が弛む「結膜弛緩症」

清澤のコメント:結膜弛緩相は高齢の女性に多い目の異物感や渇きを主訴とする疾患です。最初には、ヒアレイン、ジクアスやムコスタ等の点眼を用いますが、改善の自覚が得られない場合には涙点プラグの挿入、そして最終的には緩んだ結膜を切除して眼表面への涙液の保持を改善する手術的な治療法が行われます。以前に日経メディカルに掲載された私のインタビュー記事に手を加えて紹介いたします。

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清澤源弘 清澤眼科医院(東京都江東区)

(図はアイオワ大学HOから借用)

ある朝、鏡を見て白目の下が弛んでいることに気付いたKさん(42歳)。
驚いて眼科医を受診したところ、「結膜弛緩症」だと診断された。

 「結膜弛緩症」(conjunctiva charasis コンジャンクタイバ カラシス)が注目されている。私のクリニックにも1日に2~3人ほど、「結膜弛緩症ではないか」という患者が診察に訪れている。
 結膜弛緩症とは文字通り、眼の白目部分(=結膜)が弛んでしまう状態をいう。元来、結膜には適度な緩みがあり、眼球の動きに耐えられるような構造になっているのだが、この緩みが普通より強くなってしまい、弛んだ組織が眼の縁などに寄ってしまうのがが結膜弛緩症だ。 病理検査に出せば、報告書では上皮は正常で、リンパ管の拡張が見られる。そして弾性繊維の損傷や張りがない状態が報告される。 つまり結膜下組織の異常。 前眼部OCTでは線維組織の解離とリンパの拡張、そして結膜がその下の組織からはがれているという変化がある。症状はいったん起きると悪循環で増悪しがちである 。主な原因は、加齢によるものだという考え方が一般的。年をとると皮膚に弛みやシワが寄るのと同じことが、結膜にも生じてしまうのである。

 結膜弛緩症の症状は、ドライアイと非常によく似ている。 その有病率は60歳以上で多い。 強い痛みはあまりないが、ゴロゴロする、しょぼしょぼする、といった症状のほか、眼が乾きやすいという人もいれば、逆にやたらと涙が出るという人もいる。このような眼の不快感を主訴とする人が多い。 横井先生は 疲れる、乾く、ごろごろ、流涙の4つの症状を代表的なものとしてあげている。

 涙が多く出るようになるのは、弛んだ結膜のシワの間に涙がたまり、あふれ出てしまうためだ。また、結膜が弛むと結膜自体に傷がつきやすくなるので、痛みを生ずる人もいるし、中には結膜下出血を起こす人もいる。 弛緩を伴うドライアイも多いということである。

 ひと目見ただけで「白目が弛んでいる」とわかったとしても、本人に不快感がなければ、治療にそれほどの緊急性はない。しかし、もともとドライアイにかかっている人は、さらに眼の表面に涙が行き渡らなくなるため、ドライアイが悪化する恐れもある。

治療効果がなければ手術も
 結膜弛緩症と診断されたら、まずは点眼薬によりヒアルロン酸(ヒアレイン™)、ジクアス™、ムコスタ™などを補い、目に潤いを与えることから始める。患者側の希望があれば、涙点プラグという液体コラーゲンまたはシリコンゴム製のプラグ(栓)を涙小点(涙の流出口)に差し込む治療をすることもある。これは、ドライアイでもしばしば行われる治療法だ。この栓を装着することで涙が眼球表面にたまり、眼の渇きを防ぐことができる。

 しかし、このような治療を1~2カ月ほど続けてもあまり効果がない場合、弛緩した結膜を切除する方法を勧めることもある。これは15分程度で終わる比較的簡単な手術だ。弛んだ部分をきれいに取り去るため、再発する可能性は低く、術後も傷跡はほとんど残らない。 手術で短縮したBUTの延長、表面の平坦化、などが効き、症状は解除される。 何より、それまでの不快感から解放されてスッキリしたという患者が多い。


 ただし、簡単な手術とはいえ、現在のところ一般のクリニックで、このような手術を実際に行っているところは少ないのが実情だ。症状が重いと自覚している場合には、大学病院や大きな眼科専門医院と提携していて、万が一の時にスムーズに手術を受けられる体制をとっている眼科医を探してから受診することをお勧めしたい。
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清澤のコメント:この記事は、日経ビジネス 2011.7.18 心と体 診察室に取り上げられた私のインタビューに新しいお話を少し加えました。頭初のチャーミングなイラストは市原すぐるさんのものです。

Categorised in: 結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)