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2019年2月5日

10445:春季カタルの診断と治療:パンフレット紹介

眼科医清澤のコメント:本日、高知大学福島敦樹教授の監修したパンフレットを紹介されました。それにはⅠ型アレルギーの重症型である春季カタルが詳しく紹介されていますが、最近重要視されてきた免疫抑制剤点眼薬を用いたパターン治療のプロトコールも示されていて、「タクロリムス(タリムス™)ならステロイドから切り替えが可能」ということが書いてありました。
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Ⅰ型アレルギーが関与するアレルギー性結膜疾患の内、重症型である春季カタルは花粉症などのアレルギー性結膜炎と異なり、結膜増殖性変化を認めるために角膜病変を合併しやすく視力予後が不良となりやすい疾患で有る。

定義:アレルギー性結膜疾患は「Ⅰ型アレルギーが関与する結膜の炎症性疾患で何らかの自他覚症状を伴うものと定義されるが、中でも結膜に増殖性変化を有する重症アレルギー性疾患が春季カタルである。

病態生理:局腫でのIgE賛成の増加、肥満細胞の脱顆粒、好酸球の浸潤が認められており、生理活性物質(ヒスタミンやロイコトリエンなど)サイトカイン、ケモカインを介した各種免疫細胞と常在細胞間の相互作用において病態は形成されると考えられる。

検査法:検査では結膜あるいは全身におけるⅠ型アレルギー反応を証明する。
結膜でのアレルギー検査:①結膜における好酸球の同定法、②点眼誘発試験、③涙液中総IgE抗体測定
全身のアレルギー検査:①皮膚テスト、②血清抗原特異的IgE抗体測定法、③ヒスタミン遊離試験

診断と鑑別診断:春季カタルを診断するには、Ⅰ型アレルギー素因を呈していて、かつ春季カタルに特有な臨床症状があることが必要。そして、Ⅰ型アレルギー反応が実際に眼局所(結膜)において生じていることを示すことによってはじめて確定診断となる。
●診断の根拠:①巨大乳頭、輪部増殖(トランタス斑)、角膜病変を効率に生ず。②落屑様点状表層角膜炎、シールド潰瘍、角膜プラークがある。③原因抗原ではハウスダスト・ダニなど。④血清総IgGなどが効率に証明され、結膜には好酸球が多い。
●鑑別診断:アレルギー性結膜疾患、ウイルス性、細菌性、クラミジアなどの感染、非炎症性結膜濾胞症、ドライアイ。
●合併する眼疾患:アトピー性皮膚炎若しくはアトピー素因による眼合併症

臨床像と評価基準:春季カタルで重要な臨床症状には巨大乳頭輪部増殖、角膜病変、眼痛、眼脂、充血がある。主要な他覚所見についてグレーディングを行い臨床評価基準をもとに重症度を判定する。春季カタルは、臨床症状により眼瞼型、輪部型、および混合型の3病型に分類される。

治療:最初に試みる点眼薬は抗アレルギー点眼薬ですが、抗アレルギー点眼薬での単独治療に抵抗する症例ではステロイド点眼薬または免疫抑制点眼薬との併用が必要となります。

春季カタルのパターン治療のためのプロトコールを見ると①免疫抑制剤点眼薬を中心とした治療【パターン12a、3、4】とステロイドを用いた治療【パターン2b】が示されており、タクロリムス(タリムス™)ならステロイドから切り替えが可能なのに対し、シクロスポリン(パピロックミ二™)では、ステロイドとの併用が必要と説明されていました。

Categorised in: 結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)