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2016年11月2日

8286:石灰沈着による帯状角膜変性とは(翻訳採録)

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○昨日、両眼に帯状角膜変性を持った患者さんが来て、女子医大からのレジデントの先生と一緒に診察をしました。もう記載したと思ったのですが記事が見つからないのでちょっと復習です。彼は、「石灰の沈着場所がボーマン膜であること」も知っていましたし、「EDTAで溶かす治療法」も、女子医大では手術室を使って実際に行われているそうで、恐れ入りました。

以下は、角膜に石灰沈着した帯状角膜変性の記事で、アメリカ眼科学会のHPからの翻訳採録です。

石灰沈着による帯状角膜症(カルシウムヒドロキシアパタイト沈着)は、主にボーマン層を侵す角膜表面の石灰化変性です。 それは多くの場合に特発性です。 よく知られた6つの主な原因があります。

・炎症を伴う慢性眼疾患:小児のブドウ膜炎、間質性角膜炎、重症の表層角膜炎、眼球萎縮

・高カルシウム血症:副甲状腺機能亢進症、ビタミンD中毒、ミルク – アルカリ症候群、サルコイドーシスおよび他の全身性疾患によるもの。

・ 遺伝性のもの(原発性遺伝性帯状角膜症、その他の異常はあることも無いこともある)

・腎不全を有する患者においてしばしば生じる正常な血清カルシウム値と上昇した血清リン値が原因となることもある。

・水銀蒸気または眼科薬に含まれる水銀保存剤(硝酸または酢酸フェニル水銀)への慢性暴露も原因となる。(水銀は、カルシウムの沈着につながる角膜コラーゲンの変化を引き起こす)

・無水晶体眼内へのシリコーンオイルの充填

この他の関連するまれな障害も虹彩黒色腫を含めての報告があります。帯状角膜変性には、尿酸の沈着によるものがあり、それは茶色である。通常の灰白色の沈着とは違い、痛風や抗尿酸血症に伴って見られる。

石灰沈着による帯状角膜変性症は、ボーマン層に微細で埃状の好塩基性物の沈着で始まります。これらの変化は、通常、角膜周辺部に最初は見られます。しかし、明快な透明部分が角膜輪部と角膜症の周縁部との間に見られます。 最終的に、沈着物は(角膜の眼瞼間の部分全体に高密度の石灰化プラークが水平方向の帯になる様に形成されます 図12-12 )。

この状態を管理する上で合理的な最初のステップは、関連する代謝/腎疾患を除外するための検査(例えば、血清電解質および尿検査)です。

このような乾性角結膜炎や腎不全などの基礎疾患を治療すれば、カルシウムの沈着を制御するか、少なくとも帯状角膜症の再発を減らすのに役立つ可能性がある、から可能な限り治療されるべきです。

カルシウムの化学キレート化を迅速にするために溶液を(;通常の濃度は0.5%-1.5%EDTA溶液)暖めることができ、カルシウムは、通常、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの中性溶液をキレート化することによってボーマン層からカルシウムを除去することができます。

(二ナトリウムEDTAはもはや商業的に入手可能ではないが、配合薬局によって得ることができる。)

カルシウムを覆う上皮は「キレート溶液を塗布する前に除去する必要があります。 角膜の直径に近い任意の円筒管が、これは必ずしも必要ではありませんが、所望の治療領域にキレート液を閉じ込める容器として使うことによって、作業を容易にすることができます。この貯水槽の代わりに、小さく切ったWeck-CELのスポンジで非常に穏やかに表面をこすれば、含浸カルシウムの放出をさらに高めることができます。 もし行うならば、ボーマン層への損傷を防止するために、掻取る走査は穏やかでなければなりません。

注入したシリコーンオイルが原因である場合には特に繊維状パンヌスは、、強い石灰性の帯状角膜変性に合併することがあり、EDTAでも掻取りでもその繊維組織は取り去れません。術後に上皮が治癒するまでソフトコンタクトレンズを載せておくことは、役立つことがあります。 問題が再発することがありますが、数年再発しないこともあります。必要ならその時点で治療を繰り返すことができます。

カルシウムは角膜実質とは異なる比率でレーザーで切除されるために不規則な表面を引き起こすことがあるので、、エキシマレーザーを用いた光線角膜切除(PTK)は、初めての治療としては推奨されません。 残留する混濁が最初のEDTAによるキレート治療後に残る場合なら、PTKは用いてもよいです。

文献:Roy FH、 角膜と結膜石灰化。 Roy FH、Fraunfelder FW、Fraunfelder FT著。現在の眼治療。 第6版。 現在の治療法シリーズ。 フィラデルフィア:エルゼビア/サンダース。 2008 : 337 -338。

Categorised in: 結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)