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2021年3月10日

12682:3焦点眼内レンズとは:

日本の眼科92巻2号の眼科医の手引きに、3焦点眼内レンズが林眼科医院林研先生著で紹介されている。現在は自分が手術を行わない眼科医にも知っておくべき内容が多いのでここで取り上げておく。

近年、多焦点眼内レンズは2焦点から3焦点へと主流が変わりつつあるという。3焦点では遠見と近見だけでなく、50-80cmの中間距離にも焦点が合い、コンピュータ作業などに便利である。しかし、いくつかの欠点もある。

  • 3焦点IOLの回折原理:回折縞に加入度数が2つあり、近見と中間距離からの光が網膜に集光する。近見が40cmだと中間距離は倍の80cmになる。変則的な4焦点構造にしたものがアルコン社パンオプティクス。
  • 3焦点IOLの視力3焦点レンズは中間距離にも視力ピークがあり、広範囲に良好な視力が得られる。3焦点レンズは視力面では優れている。一般的に小さな日本人には近めの焦点が読書用にはよい。
  • コントラスト感度とグレア・ハロー症状:3焦点IOLでは中間・低コントラスト領域でコントラスト感度が低下する。遠見に光量の45%がつかわれるから。
  • 乱視の影響:乱視が強いと、多焦点効果は減弱する。シミュレーションで、遠見から中間で視力は負荷乱視度数に従って有意に低下する。2焦点IOLに比べ遠見視力低下が著明。3焦点ではIOLは乱視で視力が低下しやすい。0.75D以上の術後乱視が予想される例ではトーリック要素のついたIOLを選択すべきだ。Effect of refractive astigmatism on all distance visual acuity in eyes with a trifocal intraocular lens, Am J Ophthalmol 2020
  • https://www.ajo.com/article/S0002-9394(20)30417-7/fulltext

Categorised in: 白内障