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2020年3月29日

11694:白内障「眼内レンズ」市場が2025年問題で急成長、4月から保険適用変更:記事紹介

清澤のコメント:眼内レンズを用いた白内障手術は、眼科医、特に眼科開業医にとって注目の分野である。手術施設に取り囲まれている都区内の私の診療所は現在までその分野に手を広げてはこなかったのだが、都心を離れた場所での開業医や手術を重視する眼科医たちにとってはこの白内障手術は相当に重要な部分を占める。上の記事から特に関心を引くであろう多焦点眼内レンズに関する記載の要点を引用してみる。今回の多焦点眼内レンズの使用に伴っては、レンズ価格の標準価格の基準というものが国からは示されていない。そのために、診療施設への眼内レンズの仕入れ原価調査も行われるらしく、そのことにも関心を示す施設は少なくないようだ。 https://www.sbbit.jp/article/cont1/37714?page=1

世界的に市場拡大が見込める眼内レンズ

 市場調査会社MarketsandMarketsが2018年1月に公表したレポートによると、眼内レンズ(Intraocular Lens/IOL)の世界市場規模は2017年の35億米ドルから、2022年には45億6,000万米ドルへ、約3割拡大すると予測されている。

 米国などの海外でも、第2次世界大戦後生まれのベビーブーマー世代が“白内障発症適齢期”を迎えており、市場の成長が望めるようだ。

 現状でも、国内の眼内レンズ市場は徐々にではあるが拡大している。眼内レンズの国内売上枚数は、日本眼科医療機器協会眼内レンズ部会が自主統計を発表しており、同協会の「2019アニュアルレポート」によると、2018年は165.5万枚を販売した。2015年比で12.4%増え、2年連続で過去最高。1997年の64.3万枚に対しては2.57倍で、眼内レンズは平成年間に目覚ましい成長をみせた。

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眼内レンズ売上枚数自主統計 販売実績推移

4月の多焦点レンズ手術保険適用に期待大

 2020年代の成長が期待できる眼内レンズ国内市場で、HOYAへの対抗馬と目されているのが、目薬でよく知られる参天製薬である。

 参天製薬は、1986年に眼内レンズの製造・販売に参入。2001年、眼内レンズの研究開発を行っていた米国のAdvanced Vision Scienceを買収し、2003年にフォールダブル式眼内レンズを発売した。2019年4月には、新製品としてオランダのOculentis社から技術を導入した低加入度数・分節眼内レンズ「レンティスコンフォート」を発売し、2020年代に予想される成長の果実を得るべく態勢を整えている。

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レンティスコンフォート
(出典:参天製薬 プレスリリース)
 この製品は、保険適用対象の単焦点レンズでありながら、遠方と中間の2つの単焦点を組み合わせ、遠近両用の多焦点レンズ(保険適用外)との中間的な機能を持つ、文字通りの目玉製品だ。

 だが、多焦点レンズに今春、「保険適用の変更」という追い風が吹き始める

 現在、多焦点レンズを使う白内障手術は保険がきかない「先進医療」に属し、レンズ代だけでなく手術費用も全額自己負担になっている(入院や検査や薬剤費は保険適用)。それが、中央社会保険医療協議会(中医協)での合意を受けて、2020年4月から「選定医療」に変更され、レンズ代は全額自己負担ではあるが手術費用は保険適用に変わる。民間医療保険の「先進医療特約」を使うわけでなければ、総費用は安くなる。

 歯科医でインプラント治療が選ばれるように、眼科の白内障手術で「入れるレンズは単焦点より多焦点だ」と選ばれる時代がやってくるかもしれない。保険適用の変更により、眼内レンズのメーカーは4月以降に白内障手術の件数も、高価格帯の遠近両用の多焦点レンズの売上も伸びるのではないかという期待を高め、にわかに目の色が変わってきた。

Categorised in: 白内障