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2020年2月17日

11524:超高齢時代の白内障手術 (根岸一乃先生)聴講印象記

日本眼科医会第78回生涯教育講座:東京講座

清澤のコメント: Ⅰ:白内障手術が生活の質(歩行速度、活動量、睡眠の質)を改善させる。Ⅱ、 多焦点眼内レンズの半数は 焦点深度拡張型眼内EDOFレンズ で、 「術後の歪みまたはコントラスト感度低下」が最も術後の不満に関連していたという事でした。視機能の低下が生活の質の低下につながるというのは今回の講演会共通の話題でした。

現状と問題点

80歳代の白内障有病率は100%。

Ⅰ. 白内障手術が生活の質に及ぼす影響(歩行速度、活動量、睡眠の質)について

1.1:白内障手術と認知機能:藤原京スタディー、対象は58歳以上2764人。

矯正視力と認知機能;正常者は軽度認知症(MCI)や認知症患者よりも矯正視力が良好。年齢等で調整後のMCIのリスクは白内障術後患者で優位に低い。(これは認知症では成立しない)

1.2:白内障手術と睡眠:白内障手術により、睡眠障害の57%が改善した。原因はブルーライトの関連と活動量の改善などが考えられる。

1.3:白内障手術と運動機能:歩行速度が0.8-1.0m/秒以下では死亡や発病リスクが高い。白内障術前では歩行速度が対照群より遅いが、術後2月では差が無く、運動機能が改善した。白内障手術で男性は2.5歳、女性は1.5歳寿命が延びる。術前は若年、男性、高身長、視力良好な人で歩行速度が速く、術後の歩行速度増加量は後嚢下混濁の人で大きい。視機能障害模擬患者の実験でも初速度、%平均速度とも低い。。

Ⅱ、多焦点眼内レンズの現状と問題点:白内障屈折矯正学会での調査。65施設、1631眼。

Ⅱ.1:患者背景・手術成績:挿入されたレンズは半数が焦点深度拡張型眼内レンズ。術前の合併症は緑内障29.2%、ドライアイ27.0%、角膜屈折矯正手術後11.2%。

Ⅱ.2:不満症例の解析:不満または大変不満が4%。ロジスティック回帰分析で、「術後の歪みまたはコントラスト感度低下」が最も不満に関連。「術後遠方視への不満」、「術後グレア」の順に関与した。

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