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2019年11月1日

11253:眼の水晶体被ばく 新たな限度を示す 厚労省報告書:記事紹介

2019.10.31

清澤のコメント:放射線被ばくは、原子力発電所労働者であったり、放射線を扱う医療従事者であったりで人為的な放射線に被ばくする業務に従事する場合に、ポケット線量計やフィルムバッジなどによって測定管理される。今回の委員会では「眼の水晶体の等価線量限度を5年間の平均で、年20ミリシーベルトとし、年50ミリシーベルトを超えないこととすることが適当」との答申が出されたという。また、眼の水晶体の等価線量が継続的に年20ミリシーベルトを超えるおそれがある者に対しては、健康診断の項目の白内障に関する眼の検査の省略は認めないという事です。しかし実際に目の検診にあたるものとしては、加齢性の要素を含んだ軽度の白内障を記載するかどうか迷うこともしばしばありました。

  ―――記事の抄出 https://www.rodo.co.jp/news/81174/――――

 厚生労働省はこのほど、「眼の水晶体の被ばく限度の見直し等に関する検討会」の報告書を発表した。眼の水晶体の等価線量限度を5年間の平均で、年20ミリシーベルトとし、年50ミリシーベルトを超えないこととすることが適当とした。同等価線量が継続的に年20ミリシーベルトを超えるおそれがある者に対しては、健康診断の項目の白内障に関する眼の検査の省略は認めないことを方向性として示している。

 今回の報告書は、国際放射線防護委員会(ICRP)声明における勧告や、諸外国での被ばく限度に関する法令の施行状況などを踏まえ、放射線審議会が取りまとめて関係省庁に通知した「眼の水晶体に係る放射線防護の在り方について(意見具申)」を受けたもの。

 電離放射線障害防止規則の改正の検討結果では、限度を5年間平均で、1年当たり20ミリシーベルトかつ1年当たり50ミリシーベルトを超えないこととすることが適当とした。

 十分な放射線防護措置を講じても、高い被ばく線量を眼の水晶体に受ける可能性がある者については、約3年の期間、眼の水晶体の等価線量限度が年50ミリシーベルトを超えないこととすることを提示。

 また、眼の水晶体の等価線量が継続的に年20ミリシーベルトを超えるおそれがある者に対しては、健康診断の項目の白内障に関する眼の検査の省略(電離則第56条第3項)は認めないとの考えを示した。

 水晶体の等価線量を算定するための実用量では、外部被ばくによる線量の測定を、実効線量および人体の組織別の等価線量を算定することから、放射線の種類・エネルギーに応じて、1センチメートル線量当量、3ミリメートル線量当量または70マイクロメートル線量当量のうち適切なものについて行うことなどを挙げている。

注:ミリシーベルトとは: 放射線が人体に及ぼす影響を含めた線量です。 放射線が生物に及ぼす効果は、放射線の種類やエネルギーによって異なります。 単位としては、シーベルト単独よりその1,000分の1を意味するミリシーベルト(mSv)、100万分の1を意味するマイクロシーベルト(μSv)が通常よく使われます。

資料:

放射線白内障(レンズの不透明度)(放影研の資料から抜粋)

放射線白内障は、水晶体の部分的な不透明性または曇りを引き起こし、損傷した細胞が水晶体の後面を覆っているために生じます。 症状は、高線量被ばく後1〜2年で、低線量被ばく後何年も経って現れます。 最近の研究では、白内障手術を促した1 Gyの白内障で20〜30%過剰であることが報告されていますが、放射線白内障がどの程度頻繁に重度の視覚障害に進むかは不明です。 放射線白内障が発生しない低線量閾値が存在する可能性がありますが、最近の分析では、閾値が存在しないか、存在する場合は0〜0.8 Gyの範囲にあることが示唆されています。 見られる過剰な白内障は、一般に放射線に関連するタイプのものです:後嚢下白内障および皮質白内障。 図1は、放射線量と水晶体の皮質不透明度の関係を示しています。()

図1.レンズの皮質の不透明度と放射線量

図2は、放射線によるレンズの不透明度の原因を説明しています。 水晶体を覆うカプセルの内側正面に上皮細胞の透明な層があります。 この層は、レンズの周辺部(赤道と呼ばれる)での細胞分裂によって達成される中心に向かってゆっくりと成長することにより、レンズの機能を維持します。 放射線は細胞の分裂にとって特に有害であるため、赤道で露出した細胞は最も損傷を受けやすい。 理由は不明ですが、損傷した細胞は中心に収束する前にレンズの後方に移動します。 このようなセルは、光がまっすぐ進むのを防ぎ、不透明度をもたらします。図2

図2.放射線による後嚢下領域の水晶体の不透明度
(1991年のHICARE編、人体に対する原爆放射線の影響から、
東京文庫堂提供)

注: グレイ (gray、記号:Gy) とは、放射線によって人体をはじめとした物体に与えられたエネルギーを表す単位を言う。吸収線量またはカーマの単位として主に用いられる。 医療の現場における被治療者の被曝線量を表す臓器吸収線量の単位などに用いられる

Categorised in: 白内障