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2018年11月11日

10261:角膜内皮治療の最前線:小泉範子先生講演、聴講印象録。

清澤のコメント:小泉範子先生の角膜内皮細胞移植にROCK阻害剤を加えると細胞がよく生着するいうお仕事は有名で、NEJM論文が出た時点で拝読しました。((9711:水疱性角膜症に対する培養ヒト角膜内皮細胞移植の臨床研究 https://www.kiyosawa.or.jp/conjunctiva/45520.html

今回そのお話と、一歩進んだ点眼薬だけでフックス角膜ジストロフィーを治療するというアイデアを通して拝聴することができました。以下が小泉範子先生(同志社大学生命医科学部医工学科教授、京都大学臨床教授)のSenjyu Ophthalmic Seminar 2018 in Tokyo講演Ⅱの聴講印象録です:

角膜移植の主流は15年前に全層移植からディーセックDSEKや

DMEKに代わった。それでも、再移植が必要なこともある。

◎再生医療と点眼について。

新しい内皮現象の治療法に前房内への細胞注入治療(ロック阻害剤Y-27632と混ぜて注入)がある。これで、注入する角膜内皮細胞の角膜内面への接着が促進される。

まずカニクイザルで成功し、内皮の増生を増やす工夫などをした。現在ドナー角膜1枚から500人分の注入細胞が得られる。

2012-13年、培養内皮50万-100万を注入し、LI-BK(イリドトミー誘発水疱性角膜症)やフックス角膜変性に行う。

Kinoshita S, Koizumi N, Ueno M, et al. Injection of cultured cells with a ROCK inhibitor for bullous keratopathy. N Engl J Med 2018;378:995-1003.:レーザー2例、フックス7例、PE1例、外傷1例、0.1未満から1.0へ改善。角膜浮腫も消退。眼圧上昇はなし。

(9711:水疱性角膜症に対する培養ヒト角膜内皮細胞移植の臨床研究 https://www.kiyosawa.or.jp/conjunctiva/45520.html

 此の抱負の利点:角膜形状が保たれ、乱視化しない。再移植が多いが内皮だけで行える。

 術後投薬も非特異的。ユニバーサルな再生医療製品の開発を目指す。フックス角膜内皮ジストロフィにおける p38 MAPK 阻害剤のアポトーシス抑制効果も検討している。

角膜移植はフックス角膜変性症39%、円錐角膜27%、角膜感染20%、その他14%に行われている。

・フックス角膜変性症ではECMが角膜内皮に沈着し、デスメ膜にECMが沈着する。この疾患は40歳以上の白人男性の6%が持つ。

クライオを角膜中央においてその部分の内皮細胞を殺して、10nM27632を1週点眼が有効、(Koizumi N1, Okumura N,et al. Rho-associated kinase inhibitor eye drop treatment as a possible medical treatment for Fuchs corneal dystrophy. Cornea. 2013;32:1167-70)

欧米ではグッテーガ出れば、デスメ幕を剥いで角膜移植がなされる。

FECD(フックス角膜内皮ジストロフィー)細胞モデルを作った。これにTGFー-βを添加すると小胞体ストレスで、細胞死が増える。だから、TGF-β抑制でグッテーや内皮細胞死が抑制できる。

TGF-βシグナル阻害剤、p38 MAPK 阻害剤、カスパーゼ阻害剤などを対象にドラッグリポジショニングの対象として既存薬剤の新しい治療での位置づけを確立したい。

注:ドラッグリポジショニング( drug repositioning)または既存薬再開発。既存のある疾患に有効な治療薬から、別の疾患に有効な薬効を見つけ出すことである。 ドラッグリポジショニングに使われる医薬品は、すでにヒトでの安全性や薬物動態の試験が済んでいるため、いくつかの試験をスキップでき、また薬剤の製造方法が確立しているため開発期間の短縮・研究開発コストを低減できる。

Categorised in: 白内障