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2017年5月18日

8853:両眼白内障の手術、両眼同時 vs.片眼ずつ:記事紹介

両眼白内障の手術、両眼同時 vs.片眼ずつ
提供元:ケアネット 公開日:2017/05/17

眼科医清澤のコメント:私の診療所では現在白内障手術を行っておらず、白内障手術が必要な患者さんは近隣の医療機関等に、その施行をお願いしています。現在、白内障手術はほとんどが左右眼を2週間程度開けて、また入院も2度に分けて行われていると思います。それは、左右眼を分けて行ったほうが、万一、眼内炎を引き起こすような器具の汚染があっても一眼はそれを免れることができるという古典的な理由によるものではなく、保険点数が2度に分けたほうが高いという理由によるものであろうかと思います。両眼手術を同日に行う必要が生じた場合には、先の理由で、全く独立した2つの別の手術として施行するのが正しい姿勢であろうと私は習って組ました。それはそれとして、これは、一度に両眼を白内障手術するのと、片眼ずつ別の日に手術するのでは術後矯正視力や感染症の発生率などに差はないということを示した論文です。納得できる結論といえそうです。
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両眼白内障の手術、両眼同時 vs.片眼ずつのイメージ
両眼白内障の手術において、両眼同時手術と片眼ずつ手術では予後に違いはあるのか。米国・カイザーパーマネンテ北カリフォルニア研究部門のLisa J. Herrinton氏らによる後ろ向き研究の結果、両眼同時手術が、片眼ずつの手術と比較して術後の最高矯正視力(BCVA)不良や屈折異常、あるいは合併症リスクを増大させるとのエビデンスはないことが示された。Ophthalmology誌オンライン版2017年4月21日号掲載の報告。  研究グループは、(1)片眼ずつ手術を受けた患者において、1眼目の予後と2眼目の予後に差はない、(2)各患者の左右の眼を平均すると、両眼同時手術を受けた患者群と片眼ずつ手術を受けた患者群とで予後に差はない、という2つの仮説を検証した。  2013年1月1日~2015年6月30日に、両眼の白内障手術を受けたカイザーパーマネンテ北カリフォルニアの医療保険加入者を対象に、後ろ向きにBCVAおよび屈折異常について調査した。  統計解析はintention-to-treat解析とし、条件付きロジスティック回帰分析を用いて眼科医および患者レベルの要因を調整し、両眼同時手術群と片眼ずつ手術群を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・解析対象は、片眼ずつ手術群1万3,711例、両眼同時手術群3,561例であった。
・眼の合併症は、片眼ずつ手術群でわずかに高頻度であった。
・術後BCVAが20/20以上の割合は、片眼ずつ手術の1眼目で48%、2眼目で49%、両眼同時手術の右眼で53%、左眼で51%であった。
・術後BCVAの個人内差は、片眼ずつ手術の1眼目と2眼目、ならびに、両眼同時手術の右眼と左眼とで、平均0.00であった。
・調整後の平均術後BCVAは、片眼ずつ手術群より両眼同時手術群のほうが良好であったが、統計学的な有意差は認められなかった(BCVA20/20以上に対する20/20未満のオッズ比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.83~1.01)。
・正視眼(等価球面度数-0.5~0D)の患者の割合は、片眼ずつ手術の1眼目61%、2眼目61%、両眼同時手術の右眼で63%、左眼で63%であった。
・補正後の平均術後屈折異常は、両群で違いはなかった(正視眼に対する屈折異常のオッズ比:1.02、95%CI:0.92~1.12)。
・術後眼内炎は、両眼同時手術群1万494眼中1眼(発生頻度1.0/1万眼)、片眼ずつ手術群3万8,736眼中2眼(同0.5/1万眼)(p=0.6)に発生したが、両眼眼内炎は認めなかった。 (ケアネット)

原著論文はこちら Herrinton LJ, et al. Ophthalmology. 2017 Apr 21. [Epub ahead of print]


Categorised in: 白内障